近年、梅毒の感染報告が増加しています。
2023年の累積届け出数は約15,000件。
前年(2022年)の報告数の約1.2倍。
男性とセックスをする男性(MSM)における感染報告も
増えています。
梅毒トレポネーマという病原体による性感染症。全身に様々な症状が出る。早期に治療をすれば完治するが、治療せずに放置すると脳や心臓に重大な合併症を起こすことがある。
一度治っても何度でも感染する。また感染力が強く、他の性感染症やHIVに同時に感染することがある。時に無症状であったり、症状らしきものが出てもしばらくするとおさまるため、治ったと思いうっかり感染させやすい。
※病名は症状にみられる赤い発疹が楊梅(ヤマモモ)に似ていることに由来。
最近、梅毒が急増しています。2023年は14,906件(速報値)と高い水準で、これは10年前の10倍以上にもあたります。新型コロナの流行時期には報告数が一時的に減ったものの、再び増加に転じさらに加速しているようです。これは異性間による感染の急増もありますが、男性同性間でもやはり増加しています。
【専門家に聞きました】後編:梅毒は何度でも感染する!予防・治療、セックスはいつから?(ゲイバイ男性向け)最近、梅毒が急増しています。2023年は14,906件(速報値)で、これは10年前の10倍以上にもあたります。そこで、感染症の専門家から詳しくお話を伺いました。前編に続き後編をお届けします。
コンドーム使用で
感染のリスクを低くできる!
感染してから4週間以降に検査できる(検査して判るのは4週間前の状態)。
検査結果は数日で出る
東京都新宿東口検査・相談室や保健所等では、HIV検査と一緒に梅毒検査を無料・匿名で実施
検査の種類 | 内容(結果) |
---|---|
TP抗体法 | 梅毒に感染することで陽性になる。一度感染すると治療した後も検査陽性になるため、今感染している状態かどうかはこの検査だけではわからない。 |
RPR法 | 感染後数値が上がる。陰性陽性という結果だけではなく数値の変化で今感染しているかどうかを判断する。 |
一度感染したことのある人は、治った後もTP抗体検査の結果が陽性と出ます。
ただし、梅毒は何度でも感染するので、TP抗体検査法とRPR法の両方を受けることで、今感染しているかどうかを知ることができます。
症状がある場合はすぐに治療できる医療機関を受診しましょう。
抗生物質で治療する。症状や進行具合、内服か注射かによって治療期間は異なる。内服で4週間ほど。
完治するまで医師に指示された期間は必ず服用を続けて治療する。セックスパートナーも同時に治療して治すこと。
治療が終わったことを検査で確認して、性器のできものや皮膚の発疹が感染に治れば、セックスを再開しても大丈夫です。
感染期間 | |
---|---|
約3週 | 潜伏期:進行中に無症状の時期もある |
3週〜 3ヵ月 |
感染した場所(性器、アナル、口など)に痛みやかゆみがないデキモノができる。リンパ節がはれる。 ※治療をしなくても症状は約1ヵ月で自然に消えるが、梅毒が治ったわけではない。 |
3ヵ月〜 3年 |
手のひら・足の裏、体全体に赤い発疹ができる(バラ疹)。 リンパ節がはれることもある。 ※発疹は治療をしなくても数週間以内に消える場合が多いが、梅毒が治ったわけではない。再発を繰り返しながら症状は徐々に軽くなる。 |
3年〜 10年 |
体の中で進行する。 |
10年〜 | 脳・神経や心臓に現れることがある。 |
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