ワクチンで防ぐことができる性感染症
VPDとは、「ワクチンで防ぐことができる病気」のこと。ゲイ・バイセクシュアル男性に関わりの深い性感染症のなかには、ワクチンで感染を予防することができるものがあります。
ワクチンを受けることは、高い費用がかかるなど負担もありますが、重要な予防の方法のひとつです。セックスライフをもっと楽しむためにも、ワクチンを受けることを考えてみませんか?
A型肝炎
感染している人の便にウイルスがふくまれ、アナルをなめたり、アナルにふれた指やペニスをなめることで、口から入ると感染が起こる。
ウイルスにより肝臓が炎症を起こし、全身の倦怠感、食欲不振、吐き気、発熱、下痢、腹痛などの症状が出る。
治療薬はなく、入院が必要になることもある。対症療法によって回復を待つことになる。
合計3回接種する(初回、初回から2〜4週後、初回から半年後)
費用:3回合計で2万円程度(1回あたり6~9千円)
B型肝炎
感染している人の血液、精液(先ばしり液)、唾液にウイルスがふくまれ、粘膜や傷口に接触すると感染が起こる。
ウイルスにより肝臓が炎症を起こし、全身の倦怠感や、発熱、吐き気、腹痛などの症状が出る。中には、劇症肝炎を起こし、亡くなることもある。また回復した後も慢性的に肝炎の状態が続き、肝硬変や肝臓がん化する人 もいる。
合計3回接種する(初回、初回から4週後、初回から半年後)
費用:3回合計で2万円程度(1回あたり5~9千円)
C型肝炎には、予防のためのワクチンはありません。
尖圭コンジローマ
ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染することで、ペニスやアナルなど、性器とその周辺にイボができる。これらのイボが粘膜や皮膚に触れると、感染が起こる。
イボはアナルの奥にできることがある。さらにHPVの中には、肛門がんやペニスのがん、のどのがんを引き起こす可能性のあるタイプのものもある。
2020年12月、日本でも男性へのHPVのワクチン(4価)の適応が承認された。コンジローマ、肛門やペニスのがんの予防につながる可能性がある。医療機関によって接種できるところもあり、国内未承認だが、9価のワクチンを取り扱うクリニックもある。
他の性感染症の
ワクチンはありますか?
性感染症のうち、現時点ではA型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、ヒトパピローマウイルス(HPV)がワクチンで予防できます。
HIVやヘルペスなど、他の性感染症のワクチンは開発が進められている状態です。
そのため、HIVや性感染症の検査を受けたことがない人はまず受けてみること、そして、年に2回以上定期的に受けることが重要です。
ワクチンは
どこで接種できる?
全国のトラベルクリニックでワクチンを接種することができます。
トラベルクリニックの情報は、右にあるサイトから調べることができます。
病院でワクチンを受ける理由について聞かれたときに理由が言いづらいなら、「海外旅行に行くため」と言っても大丈夫です。証明などを求められることはありません。
ワクチンを受けられる場所を調べる
性感染症についてもっと調べる
新宿二丁目にある、HIVやセクシュアルヘルスに関する
情報センター&リースペース。メンタルヘルス、
ドラッグなどの依存症、セクシュアリティについてや、
バー・クラブ・ショップ情報、HIV陽性者の手記等も
入手できる。
東京都新宿区新宿2-15-13 第二中江ビル 301号
TEL:03-3226-8998
E-mail:info@akta.jp WEB:akta.jp
開館時間 木~日 16:00~22:00
(年末年始を除く)
ゲイ・バイセクシュアル男性をはじめ、
すべての人にすぐに役立つ予防・検査・相談・
支援の窓口情報や基礎知識など。