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6月24日(水) 【開催報告】APACCアフターイベントを開催しました(6月20日)〜アジア太平洋と日本のコミュニティをつなぐ熱気あふれる2時間〜


2026年6月20日、ヒルトン東京で開催された国際会議「APACC(Asia Pacific AIDS & Co-infections Conference)」の閉会後、新宿二丁目のコミュニティセンターaktaにて、アジア太平洋各国のコミュニティリーダーや研究者をお招きしたアフターイベントを開催いたしました。

本イベントは、アジア太平洋のコミュニティと日本の関係者をつなぐ「現場」をともに体験し、国際連携のための関係資本をつくることを目的として企画されました。

当日はaktaメンバーを含め、なんと80名以上の方々がaktaに集結!会場は立ち見が出るほどの大盛況で、APACCのアフターイベントにふさわしい、非常に熱気に満ちた素晴らしい時間となりました。熱気あふれる当日の様子は、ぜひ以下の写真をご覧ください。


🌍 イベントのハイライト

会議場のホテルではなかなか伝わりきらない「コミュニティセンターという日本の実践そのもの」を、海外ゲスト・行政・企業の皆さまと直接分かち合うことができました。

予定していた台湾・モンゴル・タイ・ベトナムからの登壇者に加え、当日参加してくださったアジア太平洋の複数の国からのスピーチも次々と飛び出し、活発な意見交換が行われました。

また、日本の課題である「PrEPへのアクセス」「トランスジェンダーのセクシュアルヘルス」「同性婚」「HIV陽性者の治療アクセス」といったテーマを国際的な文脈の中に置き直すことで、これからの日本におけるアドボカシーの根拠と説得力を高める、大変有意義なディスカッションの場となりました。

プログラムの振り返り

  • プレナリーセッション: 台湾の最新の流行状況(A型肝炎・mpox・HIV)と、日本のエイズ動向についての深い掘り下げ。
  • 各国・日本ピッチセッション: アジア各国のリアルな課題と、日本の最前線の課題(PrEPの現状、同性婚訴訟など)の共有。
  • 総合ディスカッション: 「マルチラテラルな国際保健」をテーマに、早期治療アクセスやシビックスペースの維持について全体で議論。

🎙 オープニングリマーク(Benjamin Bavinton先生)

イベントの冒頭では、オーストラリアのカービー研究所(The Kirby Institute)より、Benjamin Bavinton先生から大変素晴らしいオープニングリマークをいただきました。先生のコミュニティに対する深いリスペクトと、日本への力強い連帯のメッセージを、原文と日本語訳の対訳テーブルにて掲載いたします。

Benjamin Bavinton先生
Associate Professor / The Kirby Institute

✉️ English(Original) ✉️ 日本語訳
Good afternoon, and thank you to Kota and the team at akta for welcoming us here today. 皆様、こんにちは。本日は私たちを温かく迎えてくださったコウタさんとaktaのチームの皆様に心より感謝申し上げます。
I want to start by saying that it is genuinely meaningful to be here in a community centre, in Ni-chome, at the heart of where this work actually happens. It reflects something important about how we believe HIV responses should be built. まず初めに、この二丁目という、まさに支援活動の現場の中心にあるコミュニティセンターに足を運べたことは、本当に意義深いことだとお伝えしたいと思います。このことは、私たちがHIV対策をどのように構築していくべきかという、重要な信念を反映しています。
People sometimes ask me why Australia has had the success it has had with HIV. There is no single answer, but the one I keep coming back to is that community has been at the table from the very start. Actually at the table, in the room, shaping policy, research, clinical practice, and the way services talk to the people who need them. なぜオーストラリアがHIV対策でこれほどの成功を収めることができたのかと、よく聞かれます。答えは一つではありませんが、私が常に立ち返るのは、「コミュニティが最初から議論の場(テーブル)についていたからだ」ということです。実際にその場にいて、会議室の中で、政策、研究、臨床実践、そしてサービスを必要とする人々への対応のあり方をともに形作ってきたのです。
I began my own career as a peer educator at an HIV and LGBTQ+ community organisation, and I’ve now been on its board for the past 13 years. That is not incidental to my research. It is central to how I think the work should be done. What I see here at akta reflects exactly that same understanding. Sustained investment in community infrastructure is not only the right thing to do, it is the economical thing to do, because every HIV acquisition prevented is a lifetime of treatment costs averted. 私自身、HIVおよびLGBTQ+のコミュニティ団体でピアエデュケーターとしてキャリアをスタートさせ、現在もその理事を13年間務めています。これは私の研究にとって単なる付随的なものではありません。この活動がどう行われるべきかという私の考えの核心なのです。ここaktaで目にしていることは、まさにそれと同じ理解を反映しています。コミュニティのインフラに対する継続的な投資は、それが倫理的に正しいというだけでなく、経済的にも理にかなっています。なぜなら、HIVの新規感染を1件防ぐごとに、生涯にわたる治療費を回避できるからです。
I want to be honest about something that surprises many people. Japan is a high-income country with a sophisticated health system, and so the assumption, inside Japan and outside it, is that HIV must be well managed here. But approximately one third of people diagnosed with HIV in Japan are diagnosed when they have already progressed to AIDS, reflecting low testing rates, persistent stigma, and major structural barriers to early treatment at any CD4 count. We know that undetectable equals Untransmittable and that treatment is prevention. But that principle only works when people can access treatment immediately at diagnosis. ここで、多くの人が驚くような事実について正直にお話ししたいと思います。日本は高度な医療制度を持つ高所得国であるため、国内外を問わず、ここではHIVが適切に管理されているはずだと思い込まれがちです。しかし、日本でHIVと診断された人の約3分の1は、すでにエイズを発症した状態で診断されています。これは、検査率の低さ、根強いスティグマ(偏見)、そしてCD4値に関わらず早期治療を受けるための構造的な大きな障壁が存在することを反映しています。私たちは「U=U(Undetectable = Untransmittable:検出限界値未満=感染しない)」であり、「治療は予防である」ということを知っています。しかしその原則は、人々が診断後すぐに治療にアクセスできて初めて成り立つものなのです。
And then there is PrEP. In Australia, PrEP is available at an affordable price through the public health system, and its rollout to over 100,000 people since 2018 has been a major factor in driving down new HIV diagnoses. Access here in Japan remains extremely limited, and that has real consequences for real people. Our collaborative PrEP APPEAL Survey for example recruited over 1300 MSM in Japan found high PrEP awareness, low levels of use, but very high willingness to use it. They reported that cost was the primary barrier. そして、PrEPについてです。オーストラリアでは、公衆衛生システムを通じて手頃な価格でPrEPを利用することができ、2018年以降10万人以上の人々に普及したことが、新規HIV診断数を減少させる大きな要因となっています。しかし、ここ日本でのアクセスは依然として極めて限定的であり、そのことは現実の人々の生活に深刻な影響をもたらしています。例えば、私たちが共同で行った「PrEP APPEAL調査」では、日本国内の1,300人以上のMSM(男性とセックスをする男性)にご参加いただきましたが、PrEPの認知度は高く、使用意向も非常に高い一方で、実際の使用率は低いことが分かりました。そして、コストが最大の障壁であると報告されています。
I am not raising any of this as criticism. The people in this room know the problems better than I do and are working on them, often within a system that has not yet caught up with the evidence. What regional collaboration can offer is evidence, comparison, collaboration, and solidarity. All of us in this room can play a role in helping our Japanese colleagues achieve the changes needed to see an end to this epidemic. 私はこれらを批判として申し上げているわけではありません。この部屋にいる皆様は、私よりもその問題をよく理解し、科学的根拠(エビデンス)にまだ追いついていないシステムの中で、日々問題解決に取り組んでおられます。地域的な連携が私たちにもたらしてくれるのは、エビデンス、比較、協働、そして連帯です。この部屋にいる私たち全員が、日本の同僚たちがこのエピデミックを終わらせるために必要な変化を達成できるよう、それぞれの役割を果たすことができると信じています。
So with that, I am pleased to open today’s event. I look forward to the conversation ahead, and I am honoured to be here with you. Thank you. それでは、本日のイベントの開会を宣言いたします。これからの素晴らしい対話を楽しみにしております。そして、皆様とここにご一緒できることを光栄に思います。本日はありがとうございます。

🤝 最後に

今回のアフターイベントは、国や言語の壁を越え、コミュニティが繋がることで生み出される大きなエネルギーを感じる時間となりました。ご登壇いただいた皆様、ご参加いただいた皆様、そして本イベントの開催にご尽力いただいたすべての皆様に、心より厚く御礼申し上げます。

aktaでは、これからも国内外の仲間たちと連帯し、より良い社会とコミュニティの未来に向けて活動を続けてまいります。

【主催・協力】

  • 主催:
    • 国際的な基準によるエイズ対策の評価と改善のための研究(研究代表者:田沼順子)
    • 個別施策層等に対するHIV感染症・エイズの普及啓発と行動変容を促すための介入方法の確立に向けた総合的な研究(研究代表者:金子典代/分担研究者:岩橋恒太)
  • 協力: コミュニティセンターakta

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