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aktaのよみもの

特集 新型コロナウイルス感染症 vol.2「COVID-19:世界中のLGBTIアドボケーターのための10のヒント」

※aktaは、東京およびその周辺での新型コロナウイルス感染症の流行を受け、必要な健康情報を紹介・啓発を行ってまいります。

 

Photo by Zackary Drucker as part of Broadly’s Gender Spectrum Collection.

 

新型コロナウイルス感染症の流行を受け、主にゲイ男性、バイセクシュアル男性の健康と人権に関するグローバルなアドボカシー活動に取り組むMPact(米国カリフォルニア州オークランドに本部)が発表した記事、「COVID-19: 10 Tips for LGBTI Advocates Worldwide(COVID-19:世界中のLGBTIアドボケーターのための10のヒント)」を紹介します。

 

注意事項として、あくまでグローバルな視点やLGBTIアドボケーターに向けられた目的でまとめられたものになるので、現在の日本における新型コロナウイルス感染症の対策や、HIV感染症の治療ガイドラインなどと必ずしも一致しない部分があることを前提にお読みください。

MPactの呼びかけに対して、現在取り組んでいる新型コロナウイルス感染症に関するプロジェクトを企画・実施するうえで、非常に参考になりました。そのため、この場で下記内容を紹介することとしました。

 

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「COVID-19:世界中のLGBTIアドボケーターのための10のヒント」

COVID-19: 10 Tips for LGBTI Advocates Worldwide

25 March 2020
Mohan Sundararaj

MBBS MPH, Director of Public Health Programs, MPact

 

COVID-19: 10 Tips for LGBTI Advocates Worldwide

 

新しいコロナウイルス(COVID-19)によって引き起こされる呼吸器の病気は、今や私たちの世界を変えてしまいそうな、パンデミックになっています。 多くの場合、何とか治癒できますが、なかには基礎疾患を持つ人など、深刻な合併症を発症する可能性があります。
患者数が急速に増えることや、伝染しやすさ(直接接触、咳、くしゃみなど)、手頃な価格の新型コロナウイルス感染症の検査サービスの大規模な利用の遅れにより、LGBTIとHIV活動家にあまりにも馴染み深い問題である、恐怖とスティグマがこの病気に対して生じています。
MPactはパートナー団体に対して、私たちがもっている恐怖とスティグマに対峙してきた経験を活かして、行動するように促しています。 情報を得て、サポートにつながり、セルフケアとコミュニティケアを優先しましょう。

 

世界保健機関(WHO)および米国疾病対策予防センター(CDC)のガイドラインに準拠して、次の10のヒントを提供します。

 

1.病気の流行状況を知る
50歳以上、免疫が低下している、または健康問題(心臓や肺の疾患、高血圧、糖尿病など)のある人は、疾患の合併症を発症するリスクが高い可能性があります。 COVID-19ウイルスに関する最新の正確な情報を入手し、COVID-19ウイルスがどのように広がり、必要な医療サービスを受けることができるかを確認します。 ソーシャルメディアやWhatsappでのCOVID-19ウイルスに関する誤った情報に注意してください。 情報は毎日更新されているため、次のWebサイトを定期的に確認してください。

世界保健機関(WHO)COVID-19アドバイス
世界保健機関(WHO)COVID-19ローリング更新
米国疾病予防管理センター(CDC)
TheBody.comのHIVとCOVID-19
COVID-19に関する米国全国LGBTがんネットワークのガイダンス
ハームリダクション連合による、薬物使用とCOVID-19

 

2. 自分を守る
現在、COVID-19を防ぐためにワクチンがテストされていますが、実用化はかなり先になるかもしれません。 感染のリスクを減らすために、US CDCは石鹸と水で少なくとも20秒間頻繁に手洗いし、手洗いが不可能な場合は少なくとも60%のアルコールを含む手指消毒剤を使用することを推奨しています。 また、体調不良がある場合は、目、鼻、口に触れたりしないこと、マスクを着用することをお勧めします。
あなたや、あるいはあなたの知っている誰かがHIV陽性である場合、検出限界下のウイルス量とCD4数の値のよい状態を達成することは、あなたの免疫システムを助けることになります。 医療提供者の方は、こちら(外部リンク CDCのウェブサイト)をクリックして、予防策をいくつかご確認ください。

 

3.あなたの家族とあなたのコミュニティに注意してください
気分が良いとしても、この病気に対処するのに苦労する人に、ウイルスを意図せずに渡してしまうかもしれません。 薬物を使用するLGBTIの人々やLGBTIのセックスワーカーを含む、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、インターセックス(LGBTI)の人々の多くは、避難所、食料、その他の必需品へのアクセスが制限されている状態です。 救いの手を貸し、支援する方法を見つけましょう。 私たちの年長者や基礎疾患を持つ人々に、注意を向けつづけてみてください。

 

4.密接な接触と旅行は控えましょう
社会的距離または隔離は、それによって影響を受けるコミュニティのなかで、COVID-19が拡がっていくことを遅らせます。 あなたの国がCOVID-19の感染数を報告している場合は、本当に必要のあるもの以外の旅行のキャンセルと、ミーティング、トレーニング、ワークショップのスケジュール変更を検討する必要があります。 Zoom、Skype、またはその他のインターネットベースのテクノロジーを使って会議を行いましょう。 性的接触や薬物使用など、他の種類の接触については、常識とハームリダクションのアプローチを使用して、自分とパートナーを保護してください。 ニューヨーク市保健局のCOVID-19のセックスに関するこのガイド(外部リンク ぷれいす東京による日本語翻訳)を読んでください。

 

5. メンタルヘルスを守りましょう
社会的な距離と隔離は個人のメンタルヘルスに悪影響を与える可能性があり、特にLGBTI、薬物を使用するLGBTIの人々、およびLGBTIのセックスワーカーなど、すでに疎外されたり排除されたりすることを経験している人々に起こりうることです。友達や家族に連絡を取り、メンタルヘルスを守るために必要な措置を講じてください。 電話、ソーシャルメディア、その他のプラットフォームを通じて、コミュニティに頼ってみましょう。

 

6. 備えておきましょう
旅行や移動を制限するコミュニティ全体および国全体のポリシーが新しく導入された場合を見越して、居住地域によっては、HIV治療薬、PrEP、および食品を十分に準備しておく必要があるでしょう。 HIV関連の薬剤を90日間分もらえるかについては、医療提供者または薬剤師に相談してください。

 

7. 症状に注意しよう
米国CDCによると、COVID-19のウイルスに曝露した後、2〜14日で発熱、咳、息切れが発生する可能性があります。 ただし、これらの症状が出ても、COVID-19ウイルスに感染しているとは限りません。 検査を受けたり、隔離を受ける必要がある場合は、慎重すぎるくらい慎重になって、まず医療関係者に相談してください。

 

8.検査を受ける
COVID-19に感染している疑いがある場合は、医療提供者または地元の保健当局に、どこで検査を受けることができるか聞いてみてください。 検査場所へのアクセスが制限されている、または利用できない場合は、役所の所定部署に働きかけてアクセス方法を確保してください

 

9. スティグマと闘おう
HIVに関連するスティグマと同様に、COVID-19関連のスティグマが問題になる可能性があります。 あらゆる形のスティグマには、情報と教育を元に、断固として戦うべきです。

 

10. 予測をして対処しよう。パニックにならないでください!
COVID-19の新しさと、急速な流行は恐ろしくて圧倒的です。 私たちは積極的に行動することが重要ですが、問題をセンセーショナルにしないようにすること、またはパニックに陥らないように細心の注意を払う必要があります。 グローバルコミュニティとしてこの流行に立ち向かうために、私たちのもつ多くの強みと経験を、フルに稼働させましょう。

 

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