11月2日(月) SUMMER BLAST 2026 in 新宿二丁目「性の健康」アンケート結果紹介
SUMMER BLAST 2026 in 新宿二丁目
「性の健康」アンケート結果のご紹介
2026年7月18日実施|イベント参加者 308名の声
(海外からの観光客を除く)
知っている
使っている
「使ってみたい」
2026年7月18日に新宿二丁目で開催された SUMMER BLAST にて、イベント参加者を対象とした「性の健康」に関するアンケートを実施しました。ご回答くださった皆さま、また実施にあたりご協力いただいた皆さまに、心より感謝申し上げます。
今後も、コミュニティの声をふまえながら「性の健康」に関する情報発信と対策を続けてまいります。
本アンケートは、厚生労働省の研究班「個別施策層等に対するHIV感染症・エイズの普及啓発と行動変容を促すための介入方法の確立に向けた総合的な研究」の一環として実施されました。
新宿二丁目のリアルな声!SUMMER BLAST 2026「性の健康」調査結果を名古屋のあの研究者と深掘り【akta】
- SUMMER BLAST 2026で実施したアンケート結果のハイライト
- 名古屋の名物研究者による鋭い分析と解説
- aktaメンバーとのディスカッション&ぶっちゃけトーク
Q1–Q14|回答者のプロフィール
どんな人が答えてくれた?
- 年齢は30代が最も多く、次いで40代、20代、50代以上の順でした。
- Q2〜Q5は、SOGI(ソジ:Sexual Orientation and Gender Identity)に関わる質問でした。
- Q6〜Q7では国籍と居住地を聞きました。なお、本結果は日本に在住している回答者のみを反映しています。回答者の多くは東京に住んでいます(62.7%)。
- Q9〜Q11では学歴・職業・収入を聞いています。イベント会場では、質問に対して不快感を露わにしている方も少なくありませんでした。回答してくださった方々に感謝いたします。傾向として、高学歴・高収入で安定した雇用状況にある人が多いことがわかりました。
- Q12は「過去6か月間に利用したゲイタウン」を複数選択で聞きました。
- Q14は「友人・知人にHIV陽性の人がいるか」を聞いています。
Q2〜Q4・Q6(性別・国籍)のグラフを見る
Q13|HIV・STIの知識
PrEPの認知は今年も8割超え
Q13は、HIVおよびSTIに関連する知識がどれだけ知られているかを測る質問です。2023年のSUMMER BLAST調査から毎年たずねています。
- HIV予防薬でお馴染みのPrEP(プレップ)は、今年も8割以上の回答者に知られていました!
- HIV陽性であっても投薬治療でウイルスを感染させなくなる状態を指す「U=U」、および梅毒・クラミジア・淋菌の感染リスク減少に一定の効果があるDoxy-PEP(ドキシペップ)については、例年並みの知名度でした。
HIVに感染していない人が抗HIV薬を飲んで、HIVの感染リスクを減らすPrEPという方法がある
抗HIV薬によって血液中のウイルスが検出できないレベルになっている人は、セックスパートナーにHIVを感染させることがない
セックスの72時間後までにドキシサイクリンを飲んで、梅毒・クラミジア・淋菌の感染リスクを減らす方法がある
Q15|交際ステータス
参加者の6割は「特定のパートナーはいない」
- 参加者の6割が「特定のパートナーはいない」と回答しています。SUMMER BLAST 2026には、マッチングイベントもたくさんありましたね!
- 動画では「イベントは出会いの場に最適だった!」という見解もあれば、「イベントに来る人たちは積極的に落ち着きたいとは思っていないのでは?」という意見もありました。こちらの主張の真偽は、今回のデータからはわかりかねます(;'∀')
Q16–Q20|性行動と性感染症の予防
コンドームを使う・使わないの背景にあるもの
Q16〜Q20は、性行動と性感染症の予防について聞いています。それぞれにつながりがあるので、一気に確認しましょう。
- 回答者の大半は男性とのアナルセックス経験があり、過去6か月以内という期間を設けても約8割が1回以上のアナルセックスを行っていました。
- 過去6か月以内のアナルセックスでコンドームを常用した回答者は18.0%でした。一方で「全く使わなかった」「使わないほうが多かった」の合計は52.4%と、過半数を超えていました。
- Q20ではコンドーム不使用の理由をたずねています。最も回答が集中したのは「気持ちよさやムードが下がる」(71.7%)。次いで「PrEPやU=Uなどで、感染を防げている」(67.5%)、「検査で自分や相手が陰性だとわかっていて、感染しないと思った」(65.4%)が多くなりました。
ここに注目
「相手に求められた・言い出しづらかった・同意なく挿入された」という選択肢に、約3割(29.8%)の回答がありました。3つに共通するのは、コンドームの使用が相手依存になりがちだということです。
個別具体的な場面まではアンケートの結果からはわかりませんが、コンドームを使いたい/使ってほしいと思っていても、セックスの最中に伝えづらかったり、相手との関係性を考慮して使わないようにしたり、相手がコンドームを装着して挿入しているかを確認できなかったりする場面は想像に難くありません。
このことは「コンドームは感染症予防に有効」という事実・正論を伝えるだけでは改善しません。性的同意の確認や、性感染症の予防についてセックスパートナーと事前に相談するといった、日頃のコミュニケーションの重要性が浮かび上がってきます。
Q21〜Q23(バニラセックス・金銭・性行為時の使用物)のグラフを見る
Q24–Q28|HIV検査
8割が受検経験あり、半数以上が直近6か月以内
- 回答者の8割はHIV検査の受検経験があり、過去6か月以内に受検したと回答した割合は54.8%でした。
- 受検頻度について「3か月に1回程度以上」の回答は23.8%でした。PrEPの利用者ガイドラインでは、3か月に1回のHIV検査が推奨されています。
- HIV検査を受けたことのある人の多くは「保健所・保健センター」「診療所・クリニック・医院」で検査を受けていました。公営の保健施設では、無料のHIV検査を匿名で受けることができます。今後は「郵送検査」の動向にも注目したいです。動画では「検査を受ける場所は都心と地方とで異なるのではないか?」という指摘がありました。
Q27(直近のHIV検査の結果)のグラフを見る
Q29–Q34|PrEP(プレップ)
PrEPユーザーは約3割、調査開始以来の最大値
- PrEPを使ったことのある人は、全体で40.6%(現在・過去問わず)でした。現在PrEPを使っている人は全体で29.9%。約3割のPrEPユーザーを観測したのは、2023年からの調査の中で最大でした。服用方法は、毎日1錠を服用する「デイリー」が過半数の56.5%でした。
- このことについて動画では「回答者の多くが高い学歴水準で高収入帯に属していることと関連があるのではないか」と指摘されました。PrEPは2024年に日本で薬事承認されましたが、健康保険適用外のため全額自己負担となっています。そのため現状では、経済的に安定していなければ手を出しにくい予防方法です。
- Q32ではPrEPの入手方法を聞いています。インターネットで個人輸入をしている割合が48.9%、対面またはオンラインのクリニックで処方を受けた割合が50.0%でした。インターネットでの個人輸入は、医師による診察や検査を含まないため安価であることが知られています。しかし、医師によるモニタリングなしに安全にPrEPを続けるには、定期的なHIV検査や腎機能の検査の機会を自ら設定しなければならないというわずらわしさもあります。動画では、Q33「PrEPの定期的な診察を受けているか」の結果と関連づけて、PrEP利用と定期的な検査を受けられる環境整備の重要性が確認されました。
- Q34では、現在PrEPを利用していない回答者に「今後、PrEPを使用してみたいか」をたずねています。6割を超える回答者(63.0%)が「使ってみたい・条件が合えば使ってみたい」と回答しました。非常に多くの人が、PrEPを使いたいと思いながらもアクセスできていない現状がうかがえます。
Unmet Needs(満たされていない需要)
「使ってみたい」という声は、いまだ満たされていない需要を意味する“Unmet Needs”と呼ばれます。この結果は、PrEPへの公正なアクセスが社会的に保障される必要があることを示唆しています。
Q31(PrEPの飲み忘れ回数)のグラフを見る
Q36|ワクチン
8割以上が、いずれのワクチンも未接種
- Q36では、性感染症を予防するワクチンの接種歴を聞いています。日本で接種が可能な「A型肝炎」「B型肝炎」「HPV(ヒトパピローマウイルス)」と、近隣諸国で提供されている「エムポックス(サル痘)」を選択肢に加えました。いずれのワクチンも健康保険適用外のため、全額自己負担となります。
- 最も多い回答は「いずれもない」(82.8%)。いずれのワクチンも接種歴のない人が圧倒的に多いという結果になりました。
- 解説動画では「自己負担額の高さから収入と関連するだろう」との言及がありました。比較的高収入な回答者が多かった本調査でも、ワクチン接種率はそこまで高くありませんでした。2026年にはA型肝炎の国産ワクチンの大幅な値上げがあり、より安価で柔軟に接種できる輸入ワクチンに注目が集まっています。HPVワクチンは子宮頸がんの予防として知られていますが、男性の場合も、尖圭コンジローマやHPV感染によるがんの予防に効果があります。
Q35(過去1年間にかかった性感染症)のグラフを見る
Q37–Q40|コミュニティセンターakta
aktaに求められているのは「ひとりでも安心できる場所」
- Q38では、aktaがどれだけ知られているかをたずねました。場所まで知っている人は全体の48.7%(名前だけ聞いたことがある人を含めると70.5%)で、全体の約3割が「利用したことがある」と回答しました。aktaの場所を知っている回答者のちょうど半分(50.0%)が「人に勧めたい」と回答してくれました。
- コミュニティセンターとして気になるのは、「名前は聞いたことがあるが、場所を知らない」という回答が約22%あったことです。
- Q40では、利用者としてaktaに求めることを聞きました。最も多かったのは「ひとりでも安心してゆっくり過ごせる」場所の提供でした(41.9%)。新宿二丁目は歓楽街なので、仲間とワイワイ楽しくお酒を飲む場所のイメージを持たれがちです。陽の気にあてられて疲れた人、これから陽に向かうために気をチャージしたい人、お金を払わずに座りたい人に、コミュニティセンターaktaはもってこいの場所です。
- 次いで多かったのは「HIV・性感染症の無料検査を受けられる」でした(31.8%)。現在、東京都と協力して、HIV検査の郵送検査キットの配布を予定しています。
Q37(見たことがあるキャンペーンビジュアル)のグラフを見る
※ 回答者は308名です(海外からの観光客の回答を除く)。設問によっては、該当する人のみを対象としているため回答者数(n)が異なります。
※ 割合は小数点第2位を四捨五入しています。「複数回答」の設問は合計が100%になりません。
※ グラフ内の濃い色のバーは、本文で取り上げている選択肢です。