vol.66 傳 吉野
店舗名:傳
店舗住所:東京都新宿区新宿2丁目15−13 第2 中江ビル
店舗電話: 03-6457-4057
営業時間:20:00〜朝4:00(ラスト入店2:00)
定休日:なし(年始のみ)
https://twitter.com/sakemirai
Q.自己紹介をお願いします
吉野
吉野でございます。よろしくお願いします。
デリヘルくん
よろしくおねがいします。
吉野
(デリヘル君を)ずっとお見かけして、でもあまり会話する機会がないままお見かけしているのが続いていたから。やっとお話できるのが照れくさいですが嬉しいです。
デリヘルくん
aktaがお店の上にあるので、僕たちがエレベーターを降りたときに吉野さんに会うとビックリするという(笑)
吉野
僕の日本酒バーの傳はですね、aktaと同じビルの1階と3階に入っていまして、上下というなかなかない関係性ですね。
デリヘルくん
同じビルをシェアしているって無茶苦茶面白いなって思います。
吉野
ねー。このビルはホント色んなお店が入っていて このビルですべてが完結するっていう。コンビニエンスなビルなんでね(笑)
デリヘルくん
このビル入り口が何個もあって滅茶苦茶難しいですよね。
吉野
そうなんですよね。2階に行く専用の階段があったりエレベーターホールがあったり。地下に行くのはこの階段専用とかねぇ。もうなんか現代の九龍城みたいなね。しかも(天井が)このパイ生地みたいに薄いしねぇ。立地は最高だけど・・・。まあでも大家さんは話のわかる神様みたいな人だから。
Q.傳はどんなお店ですか?
吉野
はい。僕はもともと長く違うお店をやっていたんです。(傳が開店する前は)酒の街2丁目なのに、日本酒っていうジャンルそのものが、ごっそり抜け落ちてたっていう。今のところ、日本酒の専門店、お酒は日本酒しかないってお店は、二丁目にはウチしかないんです。日本酒を置いているお店はいっぱいあると思うんですけど。(当時は)意外なところがまるっと空いていて、「占めた!」って思ったのがありますね。
デリヘルくん
日本酒のお店を始めようと思ったきっかけはあるんですか?
吉野
もともと、僕、DOCKっていう別のお店がスタート地点で。
そこで日本酒を置くようになって、日本酒のイベントを始めることになったんですよね。日本酒をラインナップした日本酒パーティー「酒未来」っていう名前で、Arty Fartyさんを使わせていただいて。それがこの店より長いんで、もう9年、10年近く前になるんですよ。
日本酒のパーティって世の中には展示会とか、日本酒フェアとかあるんだけれど、やっぱりこの二丁目の中にはそうした日本酒をフィーチャーしたイベントっていうのがなかったんで、それをこう始めたところからこの店に繋がっていくんですよね。もともとArty Fartyさんを使わせていただいてというか「共同で一緒にやりましょう」みたいに言っていただいたのもあって、「酒未来」っていう名前の日本酒パーティーを隔月で結構な頻度で年6回かな?やらせてもらって。そうしましたら酒屋さんがなんか面白がってくれて。まあようは日本酒を扱っている酒屋さんがそういうイベントをすることがあんまりなかったようで。だからそれを面白がってくれて、そうするとイベントですから花形のお酒達が揃っていないとカッコ付かないじゃないですか。そういうのを酒屋さんが汲んでくれて。だから「いいお酒出してあげなきゃね」っていう感じで普通じゃ手に入らないような、取引をしていないと卸(おろ)してもらえないプレミアムなお酒をイベントのためにわざわざ売っていただけるようになって。そこから酒屋さんとの関係ができて、半分冗談で「いつか二丁目に日本酒バーやりたいんですよ」ってことをその酒屋の社長に言ってたんですよね。あのまあこっちのイベント含めて気にかけて目をかけてくれてたんで。
そういう風にいっていたら、ある日突然ですね、「吉野いい物件出たぞ」と。「お前がやりたいっていってた日本酒バーに丁度いい物件出たからやれ!」みたいな感じで、ある日突然ですね、ものすごい剣幕で話を持ってきてくれて、それがこのお店の物件だったんです。おそらくこのお店の前は割烹料理屋さんだったんでその居抜きなんですよ。そこにお酒を卸(おろ)してたんだと思うんですよね。だからきっとお辞めになるって話をいち早く聞いて、僕にそのまんま回してくれたんだと思うんですよね。
デリヘルくん
なるほど。そんな経緯があったんですね。
吉野
そうなんですよね。ただですね、僕は夏場ってちょっとイベントなども色々と手掛けているもんですから、この夏場の時期ってもうなんか他に時間を割く余裕っていうのがあんまりない時期なんですよね。だけどゴールデンウィークくらいにそんな話をもってこられて、「今やれすぐやれさっそくやれ」ってかなりのハイテンションで、それもご縁かなと思ったもんですから。それで7月1日に開店ですね。
デリヘルくん
そうだったんですか。すごいですね。
吉野
5月に話が来て、6月1日にはもう契約がスタートしてましたから、そこらから準備をして、大変だったんですよ。なんか業者さんがねぇ、なんかちょっとこう、やっぱり最初ってお金はかかるんで「ちょっとでも安くしよう」って思って最初はそれなりの業者さんを使ってしまって、工事に入ったのが開店予定の5日前
デリヘルくん
おぉー!(笑)
吉野
はい。で、冷蔵庫が来たのが開店3日前みたいな!何も終わらないままグラスもないまま前日みたいな!
デリヘルくん
それはキツイですね(笑)
吉野
なんか滅茶苦茶だったですね。いやホント夏はやることが多いもんですから。お店を開けるっていったらね、人によっては一世一代の出来事だったりするとも思うんですけど・・・。(ウチは)そんなこんなで友人達の力も借りてどうにか開店したって感じですね。
デリヘルくん
それが何年前くらいだったんですか?
吉野
ちょうど7年前です。先日保健所から営業許可の更新の通知が届きましてね。それがやっぱり1つの区切りみたいなもんじゃないですか。もう7年も経ったかって思ってちょっと考えにふけっておりましたね。
デリヘルくん
そうだったんですね。
吉野
はい。
デリヘルくん
開店のいきさつは知らなかったのでビックリしました。
吉野
物事ってなんか、テンション高いうちに進むことってあるじゃないですか?「なんか、やるぞ!」から、「うぉぉお〜!」ってなって(笑)バタバタバタバタって、ねぇ。僕は比較的なんでもそういう傾向があるんですよね。なんかやるとなったら楽しくなってきちゃって。テンション上がっちゃって。テンションのままに、なんかそこでこう…妄想爆発みたいな感じになって。
デリヘルくん
あぁ〜なるほど。
吉野
で、あれやってみよう、これやってみようってなって、結局なんか出来ないことも多いんですけど、始める時の爆発的なエネルギーみたいなものはよく覚えてますね。
デリヘルくん
あぁ〜。日本酒と聞くと、どうしても大学時代とかの飲み会で、安い日本酒を鍋に入れられて、回し飲みみたいなイメージが来ちゃいます。私は日本酒って、苦手意識を持ちながら来ちゃってるっていうような感じはあるんですけど、日本酒を楽しむ方法とかってあったりしますかね?
吉野
安い日本酒で一気をして、もう3日4日、二日酔いになっちゃうようなひどい目に遭って、日本酒はいっぱいあるのに、「日本酒は、もういいです」って、ジャンルそのものを否定しちゃう。ウニの理論っていうのがあるですけど。
デリヘルくん
おぉ〜(笑)
吉野
もうトロトロに溶けた生臭いウニを人生でいちばん最初に食べて、「もうウニはいいです」って、嫌いになっちゃう。日本酒もそれに近いところがあって。最初に飲んで酷い目に遭った印象で、「もう僕日本酒いいです」ってなっちゃう人、意外に多いんですよね。そうなっちゃった人に、また飲んでもらうっていう目的で開催したのが日本酒のイベントだったんですよね。
デリヘルくん
あぁ〜
吉野
今の日本酒を知ってもらうために、魅力的な価格、それにクラブっていう場所、日本酒じゃない時間も楽しめて、色んな魅力を総動員してもう一回日本酒を、何気なく「あっこんなのあるんだ、じゃあ飲んでみよう」みたいな形で一回でも飲んでもらえば、今のトップを走ってる日本酒たちの、濃醇でフルーティな、素晴らしい日本酒は数多くありますから。口当たりの良いお酒の、素晴らしい日本酒というのは数多くありますから、そういうのに出会ってもらう。そこがやっぱり、一番大事なのかなぁという風に思いますね。
デリヘルくん
一方で、おいしい日本酒は飲みやすくて、飲み過ぎてしまって、どんどん記憶が曖昧になるみたいな体験も…
吉野
ありますねえ(笑)
デリヘルくん
ありますよね!
吉野
水を全く飲まないで、お酒だけスイスイやってると、口当たり良いもんですから、割といけちゃうんですよね。で、もうなんだか、めちゃくちゃになっちゃってる、っていう。
だから、うちの店の場合は、日本酒の世界で飲み水のことを「やわらぎ水」っていうんですけど、それをお客さんにお勧めして、お酒一杯飲む度に二杯の水を飲む方が翌日残らないですし、むしろ長い時間楽しんで飲めるので。なんかね、水を途中で飲んだりするのが「かっこ悪い」みたいに、お酒に慣れた人ほど思う人もいるんですけど、そんなことは全然なくって。むしろ日本酒の世界では、お水を多く召し上がる方が、長く飲めるので。
デリヘルくん
長く飲めるってのが新鮮ですね。水を飲み始めちゃうとお腹いっぱいになっちゃって、これ以上入んないんじゃないかって思いがちですけど、そうじゃなくって?
吉野
そうですね。カクテルと違って、日本酒は割らないでしょ?
デリヘルくん
はい。
吉野
その〜生(き)のまま飲むから、アルコールの度数もそれなりにあるので、水と一緒に飲むことで身体の中で少し薄くしといてあげる。そういう形が、飲みやすい、というか残らない飲み方ですね。
デリヘルくん
おぉ〜勉強になりました。日本酒一杯に対して水二杯。
吉野
はい、水二杯。で、ゆっくり飲みながら。楽しんでもらうっていうのが良いと思いますよ。
デリヘルくん
それを心掛けていけば、翌朝になって記憶を集めなくても大丈夫ですね!
吉野
まぁね〜でも日本酒ってエンジンかかっちゃうんでね!(笑)
デリヘルくん
そうですか(笑)
吉野
だからね、僕もエンジンかかっちゃうと、なんかもうどうでも良くなるじゃないですか(笑)なんかもう一軒、二軒ってなるんで。
デリヘルくん
高まりますよね(笑)
吉野
そうなんですよ。日本酒って、ビールのようにお腹いっぱいになってこないっていうのもありますよね。
デリヘルくん
そうですよね。
吉野
口当たりがいいもんだから。気がつくとめっちゃ元気になってて。もう翌日なんかどうでも良くなって。
デリヘルくん
その時はね。
吉野
えぇ。
デリヘルくん
翌日になってすごくツケを払う感じになりますよね。
吉野
なりますね。
デリヘルくん
逃れられないところもあるかもしれないなって思いました(笑)
Q.コンドーム設置の経緯は?
吉野
実は、僕あの〜aktaさんとの関係って、意外に深くって。それこそ創設の頃から、携わったというよりは、関係がずっとあったんですけど。元々この日本酒バー「傳」ができる前のお店、まぁ今もやってますけど、DOCKっていう、なんていうんでしょうかね、大きな声じゃ言えない…
デリヘルくん
全然大丈夫だと思います(笑)
吉野
いわゆる、ゲイの中でもちょっとアダルトなね、セクシーな雰囲気のお店なんですけど。そこは、ゲイとセックスに、なんていうのか、直面するようなお店だったものですから、やっぱりそこで、コンドームっていうと、一番基本中の基本じゃないですか。それが、当たり前に街に置かれるようになって、身近な存在になったっていうところは、(aktaの)大変大きな功績だと思うんですよね。やっぱり、良くも悪くも、コンドームとか性の部分って、ある程度クローゼットで、なんかこう隠されてたりするもので、語ることにタブーのようなものがあったりすると思うんです。でもそれが一番邪魔で、明るく語れて、情報の共有ができる方が、やっぱり良いし、そういうところのきっかけに、飲み屋っていうところで、コンドームが置かれてるっていうのが、僕は優れた切り口だったなっていう風に思いますね。
デリヘルくん
ありがとうございます。
吉野
なんかね、STDのこと考えましょうとか、性感染症っていうと、もうなんかそれだけで、どこを会話の糸口にしようか、出てくるのは専門用語ばっかりで、四角四面の堅い話。意識がよほど高くないと、あるいは自分が、実際に性病にかかっちゃったことがあるとか、そういう人でないと、意識がなかなかいかないですよね。だけど、(コンドームが)ボンと置いてあって、この後自分ができた人と、良い感じになって、肉弾戦が繰り広げられるんだっていう時に、ふとそこにコンドームがあったっていう、そこから色んなことが始まると思う。会話のきっかけっていう意味では、バーではお酒も伴って、やっぱりそういうのでもう一段気持ちもオープンになってるんじゃないですか。そういう時に、これなぁに?っていって。だからね、今新宿二丁目では、デリバリーボーイズが配ってるコンドームがあるっていうのが、当たり前に浸透してますけど、この日本酒バー傳には、ノンケのお客さんが来ることも多いので、そうするとね、やっぱり驚かれますよ。
デリヘルくん
コンドームがあることに。
吉野
えぇ。僕らにとってはむしろ当たり前に普通になった光景ではありますが、やっぱりノンケの人から見ると、バーに、しかもトイレとかじゃなくて、座席にコンドームがポンと置かれてるってのは、驚かれますよ。「これはなんだ」っていって、ある意味そこを大変に面白がるというか。だから僕らも当初そうだったんですよね。なんでこんなとこにこれがあるの?っていう。それは、大いに話題の切り口になるし、考えるスタート地点になると思いますし。だから僕らゲイが(コンドームが)置いてあることを当たり前のように受け入れてるっていう方が、ある意味成熟したものになってきたんだろうなって、実感しますね。
デリヘルくん
20年前くらい前にaktaは出来て、その前からコンドームを置こうっていう人達の活動を引き継いでるっていう感じではあるので。その中で徐々に当たり前になってきたということだと思います。その中でも、性の会話って難しいなって思うときが、この活動をやってても思う時が多々あって。例えば性感染症のことでも、知識マウントになってしまう時があったらすごく嫌だなと思う。そういう話になりかねなかったりして、どういう会話だったら良いのかとか、否定せずに相手の意見を話し合うというか、お互いすり合わせができるかなっていうのは、毎回すごく課題だなと思いながらやってます。
吉野
やっぱりどうしてもそこに行き当たりますよね。その知識マウントってのはまさにそうで、知ってる側が知ってない側に、上流から下流に水を流すように、教える伝えるっていうのはある意味そういうものだけど、でもそこにやり方がちょっと違うだけで拒否反応を示しちゃったりとか。本当は性っていうのは、人間に当たり前に備わってる機能で、誰もがそれを楽しむっていうのは、僕は当たり前のことだと思うんですよ。性っていう漢字は非常に良く出来てて、性ってね、なんて書いてあるかっていうと、心を生かすって書いてあるんですよ。
デリヘルくん
ほう。
吉野
自分が生き生きとした人生を、はつらつとした人生を送ろうとするとき、僕は必要なのは性だと思うんです。性は、わいせつなんじゃなくて、大切なんだよって。どういう切り口で伝えていくかっていうその、やっぱり、STD性感染症にしろなんにしろ、恐怖支配みたいなところがあると思うんですよ。要は、怖いよ、高速道路のトイレにぐちゃぐちゃになった車(の写真)が貼ってあるじゃないですか。あれで、事故起こすとこうなっちゃうよっていうのを見せて、気持ちを引き締める。その切り口も大事なんだけれど、今2000年代の科学力を結集して、つけたほうが気持ちいいコンドームって作れないの?って。コンドームを用いましょうって理由って、子どもを作りたくないだとか、さっき言ったように性感染症になりたくないっていうまさに高速道路でぐちゃぐちゃの車を見せて、事故が怖いから安全運転しましょうっていうのと同じ切り口なんですよね。だから、そういう意味でそこにはやっぱり知識のマウントであったり、なんで着けるのかっていうその難しさってあるじゃないですか。だけど、着けた方が気持ちいいよっていうコンドームがもし仮に作れたならば、世の中変わると思うんですよね。みんなこぞって着けるようになるし、だって着けた方が気持ちいいんですから。こんなことを言ってましたら、コンドームのオカモトさんが、こういった話を割と面白がってくれて、「じゃあ、明るい性を考えるプロジェクトチームを作ろうよ」って話になって、これももう10年以上前になりますけど、チームオカモトなんて名前で、明るく性の未来を考えようっていうプロジェクトが出来て。僕もそのメンバーなんですけど、そういう切り口ってないでしょ?コンドーム着けないとうつっちゃうよとか、子どもが出来ちゃうよとか。仮に、今はないですけど、仮に着けたら快感がもっと、愛が深まるというか、そういうものが作れたなら。僕はそっちの切り口だと思うんですよね。今その、着けないとこうなっちゃうっていう切り口しかないわけで、だけど、少し見方を変えて、着けたらもっと楽しいとか、もっと気持ちいいっていう、そっちの感覚を、物を造るっていうのは大変ですけど、そっち側からアプローチすることが出来たら、もう少し活動の幅が広がるのかなと思います。
デリヘルくん
感染症予防っていうことも大切だけど、それだけじゃなく、コンドームを着ければもっと気持ちいいってのるのはいいですね。
吉野
考え方ですよね。コンドームがないとこうなっちゃうよっていう部分、それももちろん大事なんだけど、その考え方として、これがあったほうがいいんだっていう側からのアプローチっていうのは、常に意識の傍らには置いていないと。やっぱりそれが結果としての知識マウントであったりとか、恐怖支配っていうことだけでは、やっぱり「もう良いです」とか、そもそも聞いてもらえないってとこに繋がっちゃうんじゃないかと思いますね。
デリヘルくん
そうですね。一方で、恐怖のなさをアピールすることっていうのを、長くHIVの啓発ではやってるとこもあるかなと思っているのですが、昔、なんの治療もなかった時代に苦しんでた人達のことや、昔から活動してる人たちに教えてもらわないと知らなかったことをどこまで、次の世代の人たちに引き継いで行けばいいのか、っていうのが、すごく迷っちゃうなっていうときがあるんですよ。
吉野
ちょっと戻りますけど、デリバリーボーイズの何がすごいかって、20くらいの若い子たちもいますけど、皆礼儀正しいんですよ。aktaのデリバリーボーイズですって言って扉を開ける時に、挨拶から始まって、デリバリーっていうことをやってる。それは、誰かがこういうことをやってくださいって言い、伝え、そういうルールで運用されてるんだと思うんですけど、それが、まさに20年近く引き継がれてる。きっと、当初のメンバーだって入れ替わってるでしょうし、運営だってそうでしょうし。だけど、そういう体制・体質、スタッフの育成っていうのが面々と続いているのが本当にすごいことだと思っていて。僕たちゲイって結局、子どもをもうけないわけじゃないですか。となると、自分の中にある意思とか考え方っていうのは伝えていかなければ行けないですよね。子どもが生まれれば、自分の子どもに教育して、人生の連続性っていうのがあるかもしれないけど、僕らはそれがないわけだから、してきたことは伝えていかなければ、そこで容易に途絶えてしまう。そこで存在そのものが自分が死んでしまったときに全て終わってしまう、何も伝えられなかったっていうことでは、やっぱりそこは、ゲイの根本的に寂しいところだなって思っていて。楽しく生きたいっていう傍らに、楽しく生かしてくれた人がいるわけだから、その人たちに伝えられることがあるなら、伝えていきたいなという風には思いますね。
デリヘルくん
私たちが毎週来るボランティアの人たちにこういうことを注意してとか、こういう意義を持ってやってるんだよっていうことを伝えてるのは間違いではなかったんですね(笑)
吉野
うん。すごい大事ですよ。やっぱりそれがずっと続いて今になってるわけですから。それが、世代交代含めて受け継がれているんでしょうね。受け継ぐっていうのは、その意思がないと果たせない物だから、それが続いてるっていうのはすごいことだなと思います。
デリヘルくん
ありがとうございます。お悩み相談みたいになっちゃって申し訳ないです(笑)
Q.お店での相談等(お客さんから)はありますか?(HIV/性感染症等)
吉野
そうですね、最近は件数として少なくなったけど、DOCKの時だったり、そういう話って誰かに打ち明けてある種心の平静を保つっていうのはあると思うんですよね。そうなった時、あまり近しい人、親・兄弟・肉親ってのはむしろ言いづらくて、一定の距離というかね、むしろ近い他人っていうところで、しかもこういうのは自分にとっては大きな秘密ですから、そういう意味で言うと、誰にも彼にも相談できるわけではないと思うんですよね。そんな時、その人の持つ苦悩であったり、苦痛であったり、そういったものが言葉になって吐き出された時、我々水商売は受け止めることがやっぱりあるわけですよね。だからこそ、正い知識、お話しを聞いて、アドバイスをしなきゃいけないこともある。まぁ多くは、聞いてあげてるだけでいいですけど、でも、やっぱりその人が残るゲイライフをエンジョイするために必要なことはひとえに知識だと思うんです。その知識を、正しくお伝えしなくちゃいけないというところには、勝手な使命感が、話を聞く以上は、正しいことを言えないとなって。それはもうaktaさんとのお付き合いの中から思いましたし、特に最近ですとPrEPっていう抗HIV薬を事前に飲んでおくことで、感染そのもののリスクを下げるっていう、方法なんかもあるわけですが、その方法も、じゃあどこで、費用がいくらくらいかかっていうことをポンって言ってあげるかどうかで、より、それに対して興味を持ってもらえるかどうかも決定的に変わるじゃないですか。だからそういう意味では、せっかくそういう会話をする、あるいは悩みや苦しみを吐露してくれた時に、かけてあげられる言葉、返してあげられる言葉に、僕は思いやりのほかに、ある程度精度の高い情報っていうのは必要だと思いますね。
デリヘルくん
そうですねぇ、確かに。間違ったことを言ってしまって、逆に迷っちゃったらみたいなことってありかね無いというか。
吉野
えぇ。傍らにいてあげるってことだけで、もしかしたら救われた命もあるかもしれないと思うことが生きてればあるものなんですよ。
本当にいろんな人が毎日来て話をするんですけど、その人が毎日悩んだり、困ったり、あるいは逆に楽しかったり。そういうのを、誰かに言える環境、その人にとっての友人であっても僕らみたいな水商売の者であってもいいけど、そういったものがないと、孤独になってしまった先に、そうした悲しい出来事があるんだろうなという風に思うんですよね。
デリヘルくん
HIVに関しても、必要じゃなければ言わなくていい、それはそうなんだろうなと思いつつ、言えない環境ってのはそれは違うと思うんです。
吉野
そうですね。今、本当に時代が少しずつ良くなって、そういうふうに言わなくてもいいんだっていうところは、あの、大きな進化ですよね。でも昔はやっぱり、こうね。情報を得るためにも、あと自分は本当に大丈夫なんだろうか?って心の平静を保つためにも、やっぱりこう言葉にして、誰かにこうね、言わなければいけなかった。そういう時に僕らはその感染している人に最初に声をかけるのは、まあ感染してるんだしてるんだねって。でも、それはあの、誰しもに存在している個性の一つなんだから、だから、あの、僕らそうとしか思ってない。よく言うじゃないですか。検出限界ウイルスが検出限界以下までだったらば他人に感染させる危険性はない。すなわち感染が分かり、そこにちゃんと手を施して通院して薬を投薬するようになった人の方が分からずにいる人に比べたら、むしろ余程、安全で安心できるはずなんですよね?だから啓発の根本ってそこじゃないですか?その症状が出るようになるまで、長い期間を要する人もいますから、その間にキャリアとして、もしかしたらね、広めてしまっているっていう。そういう意味で言うと、その感染してしまったということは、もちろん本人にとってはつらい出来事かもしれないけれど、でも一歩俯瞰で見たときにそれに正しく対処できるっていう意味では、その人の得るべきものっていうのが、それをまさに啓蒙啓発活動してるわけでしょうけど、あるんじゃないかなと思いますね。
デリヘルくん
すごく話がそれちゃうんですけど、HIVに関してaktaは何ていうか、飲み屋さんとか、親とか、あるいは恋人とかに打ち明ける一歩手前の打ち明ける場所としてaktaはあるのかなって思っています。
吉野
その人が楽しく、健康に、そして生きていこうと思ったとき必要なのがやっぱり環境なんですよね。あの、不良がね、もうそういう環境から抜け出せなくて、あの、もがいている人もいるかもしれないけれど、やっぱりその明るく楽しく生きようと思った時、必要なその環境っていうのを、まさに我々がそこに、あの、いるわけです。
デリヘルくん
町の中でも、そういう、連携しあえる環境があるっていうのはいいなって思います。
吉野
思いますよ。まずは聞いてあげるっていうことじゃないですか?本人の中にあるものだから。その聞くっていう方にも、心構え的なものってやっぱり必要じゃないですか?いちいち相手がいったことにびっくりしてたらね、大丈夫かなと思って話してくれなくなるでしょうし。かといって、生返事、空返事なんかもってのほかだし。ちゃんといってる人のことを聞いて考えられる。そのためにはこちら側にもやっぱり受け皿としての知識とか、そういう情報っていうのは必要になりますから。ただ、そういうのを交換できる、その、場所であったり。仕組みっていうものが、今このゲイの世界の中にはね、aktaさんを中心にして、そういうものがあるわけですから。だから、もし自分の身に何かがあったときにね。一人で思い悩まず、せっかくこういうふうに作られて存在しているものを、皆さんも活用して欲しいと思いますね。
Q.7月に開催されるイベントはどんなイベントですか?
吉野
はい。僕はずっとバーをやる傍らいろんなですね、イベントとかクラブパーティーとかそういうのを繰り広げてきたんですけど、まあ一番大きいのだと六尺ナイトという、ふんどしを締めてワーッと盛り上がるイベントを今から12年前かな?に、この二丁目で始めたんですよね。きっかけは「六尺のパーティーをやりたいから手伝ってくれ」って言われて、サポートで始めたんですけど、その後いろんなこと紆余曲折もあったりして。ageHaでやらせてもらったりして、ずっとやってきたんですよね。いろんなパーティーをやって、今そのageHaっていいましたけど、私たちゲイの一番大きなイベント、パーティーはやっぱりageHaだったじゃないですか。Shangri-Laですよね。惜しむことに、去年の1月をもってそのageHaが無くなってしまって、私たちはその大きい遊び場を失ってしまったわけですよね。だけど、そこでふと思ったのが、ageHaでやってたことって、大きなアリーナがあって、その周辺にboxっていうテントがあって、公園があってプールがあってアイランドがあって、大きいバーがあっていうふうにして構成されたじゃないですか。規模は違えど、僕、それをこの新宿二丁目っていう町で再現できるんじゃないかなっていうふうに思ったんですよ。アリーナがあってさまざまなサテライト会場が、その日一夜一体となったイベントを繰り広げるっていう、そのやり方が、僕は二丁目で再現できるんじゃないかなっていうふうに思ったのが、発想のきっかけで。今年の7月14日に、SUMMER BLASTって言う名前の、フェス形式ですよね、ワンチケットで全部を楽しんでもらえるっていうイベントをやりたいなと思ってます。
デリヘルくん
いいイベントですね。
吉野
前例が無いことにチャレンジしてるもんですから、もう問題は山積みだし、トラブルといいますかね、解決しなきゃいけないことがもう山積みになって。今、この収録させていただいているのが、もう二ヶ月きった5月の下旬なんですけど、まだ全体の進行度合いでいうと、3割をいってないんじゃないかっていうぐらいで、日々パニックですね(笑)
デリヘルくん
そんな忙しい時に本当にありがとうございます。チケットを売る場所が確保できているのかどうかみたいな話が、先日ちょっとお邪魔した時にあったと思うんですけど。
吉野
やっとね。駐車場、コインパーキングの敷地をまるまる貸し切る形で用地を確保できて、これでやっと会場がやっと揃った。契約済み会場が全部揃えられたので、やっとっていうところなんですけど。なんでしょうね、そのageHaのように、その日いろんなイベント・パーティーを同時に水平展開で楽しめるっていうフェスみたいなものが、この街にあったらいいなというふうに思って、願わくばね、今年は第1回目になるんですけど、もうすでに第2回、来年のことまでも、ある意味視野に入れて作っていけたらなと。今のところ5会場、6イベントですかね。
デリヘルくん
二丁目の人たちも、なんとなく他の人の話だと、このイベントに乗っかって、別の催しをお店の人たちもやろうみたいな話は聞いています。
吉野
やっぱりageHaの時ってこの街からたくさん人が移動して、その会場に行ってしまうっていうことを、快く思わない人もいたんだろうなと思うんですね。だけど、SUMMER BLASTってフェスはまずこの街に、規模で言うと3000人ぐらいを想定してるんですが、実際何人くるかはあれですけど、人を集めて、我々のイベントに分散してもらう訳ですけれど。この街に集まってるわけですから、そこにはぜひいろんなお店の皆さんにもですね、相乗りしていただいて、我々にその許可とか申請なんてことはもう一切いらないので、私たちがそのイベントとして、この街にお迎えした人に様々なおもてなしというか、メリットというか、リストバンドつけてる人に、「うちだったらじゃあ、チャージを少し値引くよ」とか、「ボトル値引いてあげるよ」とか、なんかなんでもいいんですけど、この街に集まった人を自分たちのところにも呼び込むようなことをやっていただけたら、街が全体として盛り上がっていくんじゃないかなっていう、なんかそういうことができたらいいなあっていうのが、この思いとしてはあるんですよね。
デリヘルくん
このインタビューは6月末から7月の頭には公開されると思うんですけど、それをお店の人たちが見る可能性もあり、6末とか7頭の段階でも今から乗ってもいいみたいな感じですかね?
吉野
そうですね。あと、前日の7月14日にちょっと街の中で、昔、大浴衣祭りというのがあったんですよ。それをやってもらえないかということは、ちょっと今打診してて。
デリヘルくん
なるほど。
吉野
今インバウンドがやっと戻ってきて、海外からのお客様も増えてきたんで、そういう人たちが日本的だなというか、やっぱり日本ってこういう文化があるんだなって思ってもらえる、その浴衣とか和装ですよね。なんかそんなものが前日にあって、その翌日、7月15日はまさにフェス。当日大きく盛り上がって、またその翌日、今度渋谷になりますけれど、CAMELOTってクラブでAVALONというイベントなんかが、クロージングパーティとして。3日間あるんですよね。もともと僕がSUMMER BLASTっていう二丁目のフェスをやりたいと言ったら、いろんな方が協力してくださって、前日14日はですね、その二丁目で浴衣祭りがあればいいなあっていうのは、まだ今、投げかけたところではあるんですけど、他にもですね、7月14日にはペアプールパーティー。去年大人気を博した。
デリヘルくん
去年ツイッターで動画があがってきたやつ!
吉野
今回の一連のパーティー群の1つとして、7月14日に、もう実際に前売り券の販売が始まってるんです。だからプールパーティーで遊び、二丁目の浴衣祭りでね、あの和装などを楽しみ、で、翌日は二丁目のフェスでドカーンと遊んでいただいて、で、もう疲れた体で、もう渋谷にも行ってしまって。
デリヘルくん
月曜日はゆっくり休んでね、みたいな。
吉野
死亡。
デリヘルくん
月曜死亡フラグが立っちゃうかもしれないですけど(笑)
吉野
ちょうど連休ですからね。月曜日が祝日っていう感じですね。もともとageHaの一番大きい夏のイベントが、三連休のところにあったんですよ。だからそこは日を同じくして、二丁目でこんなフェスをやるっていう形で。
デリヘルくん
二丁目でやるって、なかなか今までにないことだと思います。
吉野
なぜそういうフェスを僕自身がやりたいかっていうその理由の一つにですね。僕も今49という歳になって、この街に出てきて、30年以上経つわけですよね。そうしますと、30年前の二丁目って今のように「男に会いたいな、なんかやりたい、一発やりたいな」とか、誰かに出会おうと思った時は手元にあるiPhone見れば、もう出会うことが叶う。本当に子供の頃思っていた未来っていうのに、もう今なってるんだなって思うわけなんですけど。だからそういうのがなかった時代っていうのは、この新宿二丁目っていう街自体に、ゲイのコミュニティとして出会うっていう目的があったわけなんですよね。ですから、ここに来なければゲイに出会えないって言っても過言ではなかった時代っていうのは、そんな昔じゃなくて、あのちょっと前はそうだったわけなんですよね。その時の二丁目ってまあ大変に、ある意味なんでしょう、淫靡というか何でしょうね、街ゆく人がやっぱりこう行き交う男をですね、品定めするような目であったり、その着飾って、要は自分っていうものをアピールし、かつ、好みの人を探し、そしてつながる・求めるっていう、そういう機能が新宿二丁目にはあったわけなんですよ。その時代はね、やっぱりね、こう独特のギラつきというか、ぬめりというかですね、猥雑感というのがあって、僕はその時代の二丁目を見て育ってきたこともあった、あるもんですから。もう一度ね、ギラつきに溢れたというか、その二丁目のそういう姿をもう一度この目で見たいっていうのが、このフェスを企画してやるっていう自分なりの大きなモチベーションと言いますかね。
デリヘルくん
イベント来てハウリングばっかしてないで欲しいと。
吉野
そうですね。ネットが普及して、色々なことが手元にいながらできるようになりましたね。ですけど、そんなネット社会の中で伝えられないものが、僕は体温だと思うんですよ。やがて技術が進歩すれば、それすら伝えられるようになるのかもしれないけれど、でも今の科学の中でどんなにネットが高度化しても、僕はその体温っていうものは伝えられない。だから、その、人が集まった時にこう伝えあうものも、大きな一つのものが体温だと思うんですよね。まあコロナがありましたからね。人が集まって密集するっていうことがね、悪というか、社会悪みたいになっちゃって、なんとも切ない、数年間ありましたけれど、今やっとそういったものが少し晴れて、またこうやって人が集まって、やっぱりね、そこにはこう、楽しさというか、集まって、その熱気っていうものが何でしょうね、人間の根本的な楽しさだったり、喜びだったりすることがあると思うんですよ。だから、ネットで伝えられない体温ですね、その日は熱気というかね、感じていただきたい。
デリヘルくん
ギラギラもあるし漫画系のイベントとか、アニメ系のイベントもあると思うので。
吉野
色々やりますね。まさにフェスですから。フェスっていうのは、やっぱりこう様々なイベントを回遊しながら自分に合うものを含めてこういろいろ体験・体感するっていうことがフェスですから。だからそういうものが、二丁目に、この街そのものを一つの会場と見立てて、この街の魅力と共に様々なパーティーの楽しさというものを体感して遊んでいただきたいと、そういう目的で作ろうと思いました。
デリヘルくん
そういう出会いってすごくいいなと思います。
吉野
すからね、その二丁目のいろんなお店のその魅力というものを結集して、その夏のイベントも含めてですね。その一夜が盛り上がれば、自分自身もそこに参加して、楽しみたいっていうのがありますね。僕らも、やっぱり先輩たちにそういう場所を散々与えてもらって遊ばせていただいて、楽しい思いってのをやっぱりしましたからね。気がつけば、なんだかそういうの世代的には作る側の歳にやっぱりいて、自分のこう生み出したものっていうのが、もし残ってっていってくれるんだったらね、うん、自分がこういったいうことが少しでもね、残るのかなというふうに、まあ、そこはあの淡い期待値ではありますが、まあまずはまだ前例が無いことを始めるもんですからね。もう、え〜、こんなことまでっていうのがありますね。もうあっちでペコペコ、こっちペコペコから始まってですね、もうね、やるなんて言うんじゃなかった〜っていう状況に追い込まれもしながら、まあでもね、あのメンバーと言いますかね、一緒にやってくれるっていいよって言って、やってくれる人たちに恵まれましてね。はい、今、何とか3人体制で、ぴょん工房さんね、イラストレーター・作家さんなんかもう八面六臂の大活躍してくれてますし、あともう一人事務方を担当してくれるリョウっていうのも。その3人が中心メンバーで、もう日々スッタモンダやっておりますよ。本当にできるのか!?っていう。
デリヘルくん
安全にその怪我とかしないようにみんなで楽しめたら。
吉野
そうですね。はい、集まるってことはね。そこには一種のエネルギーが発生するので、ちゃんとそこがこう動いていかないと、事故やトラブルなんてことがあって。来年できないなんてなってしまったら、もう本末転倒ですから、そこは細心の注意を払って。
デリヘルくん
みんなで参加する人と一緒に安全に楽しめていけたら。
吉野
そうですね。はい。
デリヘルくん
ピョンさんはaktaでも7月からですね、展示をぴょんさんプロデュースの。SUMMER BLASTに向けた展示をしてくれるという。
吉野
当日あれですよね、aktaさんもスペースを解放していただいて、読書だったりとか、そういうちょっとくつろぐスペースとしてやっていただければと思います。
デリヘルくん
すごくいい展示になると思うで、aktaが7月の頭からのイベントに至るまでに、遊びに来てもらいたいなというのはすごく宣伝してますね。
吉野
そうですね。僕としても、新宿二丁目に夏はSUMMER BLASTっていうフェスがあるっていうことがなんだかこうみんなにね、伝わっていくというか、あの毎年のその、もう恒例のフェスがあるんだよっていうふうに思ってもらえるようになるまでは、ちょっと頑張りたいなと思って。僕今、49なんですけど、40代最後の大仕事というか爪痕を残したいというか。
デリヘルくん
楽しみにしております。
吉野
もうのた打ち回るかのように頑張っております。
デリヘルくん
はい、一緒に二丁目、新宿二丁目をみんなで舞台にしてね。
吉野
一つの会場に見立てて。ゲイでよかったって思ってもらえる。そういうイベントを作りたいなと思ってます。はい。
デリヘルくん
新宿二丁目を盛り上げていきましょう。
吉野
そうですね。
Q.二丁目について今後に期待することは?
デリヘルくん
ありがとうございます。じゃあえっと、もうこれは最後のところになるんですけど、そんな二丁目について、今後期待することとかってありますかね?
吉野
僕はね、やっぱり二丁目に救われた人間なんですよね。この街があったから、自分が明るくゲイである自分として生きていくっていうことが、やっぱりそれは新宿二丁目があったからなんですよね。時代によってやっぱり変化して行くじゃないですか。さっきイベントのところでも言ったように、昔はこの町に来なければ、ゲイに会えないっていうところで、出会いをこの街に目的としてあったわけですよね。だけど、それはガジェット、iphoneなど、そういうものに取って代わられて、この街の楽しさっていうのをゲイだけで言うんじゃなく、一般のノンケの人たちにもっていうことで、街がゲイタウンって言いながらも解放されたいうところもあって、そうやって時代時代に変化はして行くと思うんですけど、それでもやっぱり現存する世界で最も規模の大きいゲイタウン。それがこの日本にあって、我々がそこにこう携わって、まあ商売であったり、生きていられることがとても誇らしく思っていて。でなんか、街を楽しくして盛り上げたいっていうそんなねわずかな気持ちをみんなが持てば、衰退することなく、繁栄すると思うんですよね。そのためにはやっぱり、なにかこう元気で明るいところを自分も感じたいっていうのもあって、イベントをやるのもあるんです。二丁目っていう住所なのに、それだけでゲイタウンそのものを表してるって、これ結構すごいことだと思うんですよね。二丁目なんて日本中に何千か所ってきっとあると思いますけど二丁目って言ったら、ゲイタウンを一つ表してるっていうのはやっぱり、僕、すごいことだなと思うんです
デリヘルくん
確かに新宿っていう言い方じゃなくて、二丁目っていう。
吉野
二丁目っていうのがね。そういうただの住所、ゲイタウンそのものを表す言葉になってるっていうのはね。
デリヘルくん
それがメジャーになって誰が使っても通用する言葉で。
吉野
世界から見てもそうですよ。ゲイタウンはもちろん、全国にね、大きいところ、小さいところもあるけれど、でもやっぱり、海外の人たちが見ても日本のゲイタウンって言った時にまず二丁目っていうふうにこう知られているところは大きいので。だからその中でね、生きて仕事が、商売させていただけるっていうのは、なかなかとてもそこには感謝ありますし。
デリヘルくん
はい、私たちも謙虚な気持ちになろうと思います。
吉野
でもね、本当新宿は他にも、歌舞伎町っていう一大歓楽街があって、二丁目はまあ、そういう歓楽街なんだけれど、この二丁目ほど安心安全な繁華街って、僕無いと思いますよ。ぼったくりバーみたいなの聞いたことないし。仮にね、女の人がおっぱい放り出して歩いてても、お姉さんしまってって言って。おっぱい放り出して歩いている女がいたら面白いからついていきますけど。
デリヘルくん
どこいくんだろうみたいな。
吉野
だから酔いつぶれてサラリーマンの胸ポケットにお財布見えても、それ取られちゃったなんてこともね、そんなことないような街。本当にこの街って一大繁華街なのに本当に安全で、安心な繁華街だなって言うふうに。そこは僕、誇らしく思うところですね。
デリヘルくん
ずっといると、なかなか見えないこともあるけど。
吉野
ね。色々問題だってあるけど。でもね、そこに携わって生きていくんだったら、やっぱりなんかね。そこをこう盛り上げて、うん。自分も参加者だからできることはないかなって模索するのも大事なんじゃないかなと思います。
デリヘルくん
ありがとうございます。
Q.最後に一言、お店の宣伝や告知、PRなど。
デリヘルくん
最後にですね、お店の宣伝や告知PRなどをこの動画を見ている人や、インタビューの紙面にも載って、読んでくれる人たちに何か一言と、お店の宣伝とかPRとかありましたら。
吉野
はい。まずはもう本当、7月15日ですね。令和5年7月15日土曜日、SUMMER BLAST。新宿二丁目を大きな会場に見立てて様々なイベントを同時に楽しんでいただける一大ビッグフェスを開催致しますので、ぜひみなさんご期待いただいて、当日ご参加ください。お待ちしています。
デリヘルくん
お店の方は大丈夫そうですか?
吉野
お店のほうは全然いっぱい言っちゃったからね。日本酒バー傳っていうね。はい。あの。
デリヘルくん
7月1日は7周年ですね
吉野
7周年。そうなんだよね、はい。いろいろやってるんでね、なんかあんまり言うとね。やっぱり欲深い人みたいなね。
デリヘルくん
じゃあ、そっちのほうも。7周年のほうもぜひ。
吉野
日本酒バー、そうですね。いい日本酒飲めますので。
デリヘルくん
日本酒好きな人ももちろん。日本酒、苦手意識持ってる人も。
吉野
はい是非。ウチはね、3300円で、2時間日本酒を自由に飲んでいただく。料金はそのワンプランのみですから。はい、どんだけ飲んでも値段は決まってます。
デリヘルくん
じゃあ。ぜひ。日本酒を飲みましょうという感じで、こんな自分が言うことでもないかもしれないですけど。
吉野
で、どこに行けば飲んでいます?
デリヘルくん
あははは。
吉野
じゃあ、分かりました。あの、反省会じゃないけど、あの、ここでちょっと僕美味しい日本酒たくさん振る舞いますから。ええ、あの飲みましょう。
デリヘルくん
はい、今日は本当に長い時間インタビューありがとうございました。ありがとうございました。