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デリヘルくんが聞く!突撃インタビュー!!

7月6日(月曜) vol.35 特別号 新宿区保健所/保健師 鈴木さん・池戸さん

店舗名:新宿区保健所 店舗住所:新宿区新宿5-18-21 第2分庁舎分館1階 店舗電話:03-3209-1111 営業時間:窓口時間:午前8時30分~午後5時 定休日:土曜日・日曜日・祝日
https://www.city.shinjuku.lg.jp/shisetsu/map8-1.html

Q.新型コロナウイルス感染症の影響を受け、日常業務にどのような変化がありましたか?

鈴木さん

1月下旬は中国から帰国する方のチャーター便、2月はクルーズ船の対応がありましたが、その頃から相談電話が鳴り始めたので、129日に相談専用の電話回線を引きました。それから徐々に新型コロナ関係の対応が増えていきました。3月の後半くらいから、4月の頭くらいにかけては、相談電話は6回線まで増やしたのですが、わたしたちが普段使用している相談用の電話も、相談や患者さんの対応や他自治体や病院等とのやりとりで、全部埋まってしまう状況がありました。日々新型コロナウイルス感染症の相談電話に追われる形で、他の日常業務が、どうしても出来なくなっていた時期がありました。

池戸さん

1月末から部内の保健師等が相談電話の対応をしてくれました。相談は一番多かった時で1日に300件を超えていました。1月下旬のチャーター便で、陽性者がでると入院先の所在地保健所が調査や入院勧告の説明等をするので、そのころから忙しくなってきて、2月はクルーズ船の対応、3月下旬くらいから、クラスター対応もでてきました。4月がすごい大変だったんですよ。

鈴木さん

新宿区保健所のHIV検査について言うと、緊急事態宣言前まではHIV検査は実施していたのですが、宣言が出たと同時にその週からの検査は中止にしました。検査会場には匿名の方たちが集まって、最終的に何人集まるかわからないという状況の中で、来所する方にとっても安全に検査を受けられる体制がその時は整っていないこともあり、一旦中止としました。あと、新コロ対応でHIV検査に対応できる職員が確保できないという事情もあったんです。新型コロナウイルス感染症の場合は、急速に病状が悪化して命にかかわる方もいたので。

デリヘルくん

なるほど、では1月~2月の対応と、3月~4月の対応では少し状況が変わっていたということなんですね。

池戸さん

電話相談だけじゃないんですよね。当初、感染者が出るとわたしたちは病院に行って調査をしていました。その方たちに「どこで感染が起こったのか」「誰と接触したのか」をお聞きして、そこから濃厚接触者を特定し対応をします。実際にその濃厚接触者の住所地の保健所へ連絡をし、健康観察等を依頼します。その調査が結構大変なんですよね。患者数が増えて、訪問での調査がマンパワー的に難しくなり、現在では電話で調査をするようになっています。

鈴木さん

調査に行って帰って、それをまとめて。でもそれをまとめる時間もなくずっと電話は鳴り続けるっていう状況で()健康観察の対象者になるご家族だったり、ご友人だったりが新宿区内にお住まいであれば新宿区が対応してました。でも。新宿区外にお住まいの方はその方がお住まいの自治体に依頼という形で、対応をお願いするため、その方がお住まいの各自治体への電話も同時に行っていました。

池戸さん

特に4月はニュース等で取りざたされたように、すぐに入院が出来なくなっていた時期がありました。新宿区でも結構な人数の方が自宅療養せざるを得なかった状況です。もちろんその中で症状が悪化する可能性がある方や、持病がある方は何とか入院先を調整して、優先的に入院して頂きましたが、比較的軽症の方々は在宅で療養していただくしかなかったんですね。当時はホテル療養という選択肢はありませんでした。

鈴木さん

自宅で療養している方はかなりの人数の方がいましたが、その方たち全員に体調確認の電話を毎日していました。毎日増え続けていく自宅療養者と入院が必要な方の対応を同時にしていました。

池戸さん

当時は東京都の新型コロナの相談電話回線も、なかなかつながらない状況でした。自宅療養中の方が具合悪くなったときには、東京都の相談電話に電話するよう説明していましたが、つながらない状況があったので、独自に陽性者と濃厚接触者の方用のホットラインを開設しました(現在、ホットラインはありません)。一時期は夜間でも相談対応や緊急対応ができるよう職員が専用の携帯を持って家に帰っていた時期もありましたね。

鈴木さん

ホットラインは土日も9:0017:00で対応していました。職員も交代で休日に出勤して発生届後の調査や入院や宿泊療養の調整、健康観察連絡などにあたっていました。

Q.コロナウイルスの対応として、地域の中で保健所が担っている役割について教えて下さい。

鈴木さん

まずは感染不安なども含めた一般的なコロナウイルスについての相談電話。そして、陽性者への対応です。陽性者の対応としてはまず調査です。どこから感染を受けたか、そしてどこに広がったかという可能性を把握し、感染しているかもしれない方達への健康観察です。

濃厚接触者が個人であれば個人へ連絡し健康観察を行いますが、会社に行っていた、学校に行っていたと分かれば、そこでの濃厚接触者を何十人単位で経過観察をします。

実際に経過観察をしている中で、症状が出てきて検査の結果陽性となる方がいます。陽性者が複数名出たときはクラスターとしての対応ですね。状況よっては実際に訪問して感染予防について担当者の方と一緒に考えさせて頂きました。

池戸さん

電話相談で色んな相談が入るので、その中でも問い合わせの多いものに対応した資料づくりもしました。例えば病気のことについてや、企業向けに感染予防対策や感染者が出たときの対応についてとか、在宅療養の方に向けに、家庭内での感染予防についてや、具合が悪いときの食事についてなどの資料を作成しました。

あと、今やり始めているのは、「夜の街」対策です。そこで働く人たちも何とかしたいという想いをもっている人も多くいるので、そのすり合わせをしている状況です。患者が出てしまうのは、ある程度仕方がない部分もあると思うので、そこから大きなクラスターにならないよう予防と陽性者が出たときは早めに探知することなどを、健康教育などを通じてお伝えしていければいいかなと思ってます。みんなでやっていかないと、みんなに関わる病気だと思うので。

Q.対応の中で、困ったことや、大変だなと感じることなどありますか?

鈴木さん

やはり患者さんも感染した場所や接触した人について言いたくないってこともあり、なかなか正しい情報が得られないことがあります。でもその患者さんが陽性と知った色々な人からご連絡が入ることがあります。本当にいろんなところから情報が入るので、その情報を一つずつすり合わせしていかないと状況がわからない。話したくないって方はもちろんいますので、それで苦労するところはあります。

デリヘルくん

クラスター情報のすり合わせをする上で、言いたくない人への対応はどのようにされていましたか?

鈴木さん

話したくないっていう方もいらっしゃるんですけど、そのときは無理にお聞きすることはないです。でも、情報を頂けないことで、接触者の方が感染していて重症化するリスクや、感染拡大につながってしまうことについてはお話しさせていただきます。そのうえで、思い出したらでもいいから必ず連絡くださいね、とお伝えてしています。入院またはホテル療養になるまでは新宿区保健所から毎日体調確認のお電話をするので、その中でもう一回お話しを伺ってみたりとか、そういうかたちでコミュニケーションを取りながら、情報をアップデートしています。

Q.対応に追われる毎日の業務と、プライベートとのバランスをどのようにとられていましたか?

鈴木さん

一番忙しかったときってあまり記憶がないってのが正直なところで() 職員によってはほんとに終電まで仕事して、帰って次の日も仕事で。休日も土日のどちらかは出勤ということ多かったです。そういう生活の中で、休みの日はひたすら寝てました() あとは個人的にはゲームを()

池戸さん

食事の摂取量が増えましたよ。だからコロナ太りですよ、すっかり() 夜遅く帰ってきて食べて、次ビールあけるじゃないですか、もうすっかり太りましたよ()

Q.新型コロナウイルス感染症の相談窓口の対応の中で、どのような相談が多かったですか?

鈴木さん

いくつかパターンは分けられるんですけど、やっぱり漠然とした不安や、感染不安というような一般的な相談だったり。あとは実際に症状があって受診を希望される方。これに関しては新型コロナ陽性者との接触状況や症状等を総合的に判断して「帰国者・接触者外来」につなげるという保健所の役割があります。医療機関との調整も含めてお一人おひとり対応しています。

それ以外にもお店や企業からの感染対策をどうしたらいいのだろうか?というお問い合わせが多くありました。そこで、陽性者発生時の対応についてホームページでアップしました。

池戸さん

あと「タレコミ」のような電話があります。「あの店開けてんじゃないか」とか「ここではコロナが出たって噂があるぞ」とか。私たちとしては、濃厚接触者については、自宅自粛はお願いしてるけども、強制力があるわけではありません。ご理解を頂き、可能な限り協力していただくということが非常に大事だと思っています。

デリヘルくん

対応している中で、印象的なこととか、課題に思うことはありましたか?

池戸さん

やっぱり調査のときになかなか本当のことを言ってくれない人たちがいることで感染が広がっていく可能性もあるので、いかに協力関係が築けるかが大切です。プライバシーについてご本人の名前や施設名などは基本的には公表しないですし、ご本人が言いたくないっていうのであれば、それはわたしたちも守っていますしね。

いまは歌舞伎町の街がメディアなどで叩かれているところがあって。歌舞伎町にも色んな協会があるんですけど、そことも協議しながら、それぞれが出来ることを調整しはじめてるところです。その中でだんだん協力的なお店が出てきてくれています。

あと「夜の街」だけではなく、みんなが自分ごととして考えてくれないといけないなと思ってます。いまどちらかと言うと夜の街がスケープゴートになってるんですよね。でも他の人だって夜の街以外で広げている可能性はあるので、それぞれがいかに予防行動を取ってくれるかが大事だと思ってます。

Q.HIV検査が中止となっている期間に、HIVや性感染症についての相談はありましたか?

鈴木さん

相談も時々はありました。でも、新型コロナで電話が非常に多かった時期は、電話をかけてもつながらないって状況があったと思います。新型コロナの相談電話がピークの頃には性感染症の相談はあまりありませんでした。

デリヘルくん

電話がつながらない状況の中で、どういった対応をされていましいたか?

鈴木さん

緊急事態宣言によりHIV検査が中止になってしまって検査結果が聞けなかった方に対しては、個別でご連絡頂ければ対応しています。実際に性感染症で陽性だった方からご連絡いただいて紹介状を発行するなどの対応をしています。対応は医師と保健師で行い結果の説明と、その後ご相談があれば相談対応をさせて頂いております。

デリヘルくん

保健所がもっているHIV対策の機能って、HIV検査の提供だけじゃなくて療養支援もあったと思うんですけど、そういったところと、この期間って何か影響ってありましたか?

鈴木さん

療養支援になると、保健センターがメインになりますね。

池戸さん

保健センターは通常通り業務を実施していますが、保健センターの話を聞くと、新型コロナの時期でなかなか訪問に行けないようなところもあったりしたようです。必要な人には電話でフォローしているような状況はあったみたいですね。全体的に相談がコロナに偏りすぎて、HIVや性感染症の相談も減っているんだと思うんですよ。そうすると、その後のリバウンドっていったら変ですけども、そのときに検査や病院につながるべき人がつながってなかったとか、後のリバウンドが怖いですよね。

デリヘルくん

保健所としてHIV検査が止まっていた事に対しての危機感みたいなものは感じていましたか。

鈴木さん

あります。これから緊急事態宣言が解除されると今まで自粛していた方達が動きだすと思います。感染症って人の動きによって広がっていくものだと思います。。新型コロナだけじゃなくて、HIVやそのほかの性感染症も。いまは自粛をしている人が、ステップが進んでいくことで、人の動きが多くなり、感染の広がりにもつながってくるのではないかと思っています。

鈴木さん

現在再開に向けて準備を進めています。ただ再開のときには人数を制限させていただくことになると思います。新宿区保健所の検査会場はいつも座りきれなくて立って待っている人がいる状況だったので。かなり人数を絞って再開し、様子を見ながらの実施になると思います。

Q.緊急事態宣言は明けましたが、東京アラートが発令され解除になるなど。いまの状況をどのように見たら良いでしょうか?

池戸さん

これから増えるか増えないかの時期だとわたしは思っていています。今は色々な対策を実施し始めているところなので。ここからまた4月の時みたいにどこで感染が起こったかわからない人がどんどん増えてくると危ないかなと思っています。ただ4月のときより今はみんなある程度予防行動が取れていると思うんです。

デリヘルくん

今後はどのような事に気をつけて行動をしたらいいですか?

鈴木さん

繰り返しになりますが、やっぱり他人事じゃなくって、「もしかしたら自分も感染してるかも」と考えて行動していくことがやっぱり必要なのかなと思っています。調子が悪いときに、無理をしてお薬飲んで良くなったから大丈夫ではなく、調子が悪かったら一定の期間はしっかり休息を取ることや、できるだけ人との接触を減らすなどの対応が必要です。完全に感染を防ぐことは難しいとは思うんですけど、個人個人が感染予防行動をとることが感染拡大を防ぐことにつながると思っています。

保健所は特別に指導したり、お店を営業停止にしたりするわけではありません。感染予防をしていたとしても、感染する時はあります。感染してしまったときは、感染拡大を防止するためにも、どこで感染した可能性があるのか、濃厚接触者となる可能性がある人はだれかを教えてください。今は、濃厚接触者の方もPCR検査を受けられるような体制に変わってきています。濃厚接触者の特定ができないことで、本来濃厚接触者でPCR検査を受けられるはずの方が検査を受けられなかったり、濃厚接触者だということを知らずに発症してしまうこともあると思います。濃厚接触者と知ることで行動変容につながる可能性もあります。なので、保健所からの調査の際にみなさんには正直に色々教えて頂けると助かるなとは思っています。

デリヘルくん

自粛の解除とともに性行動が活発になってくると思うので、このような行動が大事ってことですね。

池戸さん

そうですね。やっぱり見てると3密は結構あぶないですね。後は歌ったりとか、大声でしゃべったりとか、そういう事がリスクだなと調査で感じています。

Q.これを読んでいる方へ何かアドバイスはありますか?

鈴木さん

予防行動の中で手洗いってすごい大事なんですよね。外出して帰ってきて手洗いをするとか。ときどき手袋つけてたりする方もいますけど、別に手から感染って訳じゃなくて、ウイルスがついた手で口を触ったりとか、目を触ったりとか、そういう行動で感染します。マスクの使い方では、マスクを外す時に表面を触ったら手を洗ってください。表面にはウイルスが付着している可能性があり、手を洗わないまま、マスクしてたから大丈夫って思って、その手のまま食べ物食べたりしたら、結局予防してた意味がなくなってしまうんです。お出かけすると手すりやドアノブなどみんなが共有して触るところを無意識に触っています。手洗いをして自分で感染を予防できるところは行って欲しいですね。

デリヘルくん

共有するものだったりって具体的なことを示してくれると、自分の行動に落とし込みやすくなっていいなと思いました。

鈴木さん

でも夜の街の方々とお話してると、飲んだ後は予防行動を取るのが難しいなんてお話もあったり。その辺りはどういう風に予防していくのか結構課題だなと思います。

池戸さん

本当に、飲みながらって難しいんですけどね。マスクもね。お店の人もだけど、お客さんにも協力してもらわなきゃいけない部分があるかな。100%防ぐってことは難しいと思うので、いかにハームリダクションするかですかね。正面に立たないとか、フェイスシールドが難しいのであれば、伊達メガネかけるとかでも多少違うと思うし、少しでもリスクを下げるようなことをやってもらえればと思います。

デリヘルくん

ありがとうございました。

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