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デリヘルくんが聞く!突撃インタビュー!!

vol.30 ホモ本ブックカフェ オカマルト 小倉東/マーガレット

店舗名:ホモ本ブックカフェ オカマルト 店舗住所:東京都新宿区新宿2-18-10 新千鳥街 店舗電話:03-6380-0280 営業時間:日~木13:00~22:00 定休日:金、土
https://twitter.com/cafeokamalt

Q.デリバリーボーイズにどのような印象をお持ちですか?

小倉東/マーガレット

いつも金曜日に回って下さってるけど、うち金曜日がお休みの事が多いので、なかなかすれ違いが多くなっちゃうんですが。みなさんとても感じよくて、結構うちに飲みに来てくれる子もいて。可愛い子いるよね(笑) デリバリーボーイズ指名出来ればいいのにな(笑) それなら金曜日に店開けてもいいや(笑)

デリヘルくん

より名前に近くなってきますね(笑)

小倉東/マーガレット

名前通りに(笑) 冗談はさておき。

デリヘルくん

お客さんとデリバリーボーイズについて会話するような事はありますか?

小倉東/マーガレット

aktaの事や、デリバリーボーイズも含めてだけど、相対的にうちは話題に上がることは多いと思うよ。二丁目初心者というか、本当に二丁目に来たことない様なお客さんが多いので。その人たちへいろんな事を説明する時に、aktaというところがあって、これからそこ覗いてごらんなさいとか。そういう形で話題にはすごい上がるので。でも具体的にHIVやエイズの事がカウンターで話題に上がるかっていうとそうでもない。aktaっていう場所を説明すると、割とみんな「ほう、そんなところが」とか言いながらも、aktaに入るのは抵抗があるって子が多いの。HIV/AIDSの施設ってなると、「自分関係ないから行ったら申し訳ないかな?」みたいな気持ちになるのかもしれない。

Q.コンドームを設置しての反応は?

小倉東/マーガレット

ウチはノンケのお客さんが多いからトイレに置いてあるフリーコンドームはみんなビックリする。「え、もらっていいいの?」とか(笑)

デリヘルくん

トイレから持ってきてカウンターで会話になる感じですかね?

小倉東/マーガレット

うん。ウチは取りに行かせたりするしね(笑)

デリヘルくん

お店にコンドームがあるのはゲイバー独特かもしれないですね。最初にコンドームをおいたキッカケは?

小倉東/マーガレット

お店をオープンした時に、「ウチもコンドームを置きたーい」って言ってたんだけども、連絡が全然来なくて!半年以上来なかったから「うちのお店はaktaに嫌われているんだ」ってずっと思っていたの(笑)

デリヘルくん

お店を開いたら連絡が来るって思っている人が結構居ますね。

小倉東/マーガレット

だからデリバリーボーイズが初めて来てくれたときは嬉しかったですよ。

デリヘルくん

最初にどういう経緯でコンドームを置かせてもらったんですかね?

小倉東/マーガレット

とにかく連絡をして、ちょうだいって言って。

Q.店内でセックスの話になることはありますか?

小倉東/マーガレット

ウチはみんなそんな話をしに来ているから(笑) なんだけど、多分他のお店とうちのお店が違うところは、HIV/AIDSのことを研究している研究者の人とか、取材をしている人とかが資料を見たいとか言って訪ねてくるのよ。そういう人たちとはAIDSの話をガッチリするんだけど、なんか情けないったらありゃしなくてさ、例えば大学でHIV/AIDSの研究をしていますって言ったって、じゃあどこらへんの話をしているの?って言うと、長谷川博史さん以降なの。で、それ以前のことは全然わかんない子なの。一応、大学生でAIDSのことを研究していますって言うんだったら、日本のAIDSの歴史みたいなものをざっくりで良いから理解しとけよって。これは取材に来た人もそうなの。みんな長谷川博史さん以降なの。一番取っ掛かりとして近くにいるし、キャッチーな人材だからさ。で、そこから読み解き始めちゃうと、全然まちがったものになっちゃうからね。そういうのはココでド怒りするけどね。じゃああんた、平田豊さん(※1)って知っている?川田龍平(※2)って知っている?大石敏寛くん(※3)って知っている?とかって言っても全部知らないわけ。もちろん、HIV/AIDSは歴史とともに随分良い状況になって来て、死ぬ病気でもないし、セックスが出来ない病気でもないけれども、80年代に起こったAIDSに対する憎悪、恐怖、恐れ、嘘、そうしたものが二丁目に渦巻いたんだから。AIDSはそういう人間の負の部分も顕にしてくれたものだったから。その歴史を抜きにして、死にません、SEXオッケーみたいなことで語られちゃうのは僕はどうしてもうーん、とかって思っちゃうんだよね。難しいねって思いながらも、僕は僕で出来ることをそういう人たちにちょっとでも伝えられたら良いのかなって思って。3週間二丁目に出てこないと、「あの子エイズで死んだの。」って噂がブワーって広がって。酷いよね、3週間出てこないだけで(笑)そういう時代もあったのよ。そういうことのリアリティなんて若い子にとっては持ちようがないだろうけど、今までHIVの活動をやっている人達も、そこらへんの負の側面って書かないできたからね。今でこそ冗談みたいな話だけど、当時はそれでみんなザワーって動いたんだから。AIDSだって言われている人が来ているお店の人とかだと「そんなこと言わないでちょうだい」って怒ったしね。それがたかだか30年前の話よ。やーね(笑)

そういう専門的なことを知りたくって来る人に対して会話をするようなながれもあるし、こういうお店の日常でそうそうAIDSのことが話題に上がることはないけど、何人かのお客さんが日本のエイズ文学を調べたいって言ってきたことはあって。それは外国の研究者の人も来たんだよね。AIDS文学、日本のって言われると、「無いんじゃない?」って話をしたのが面白かったね。確かに、海外はエイズをテーマにした文学作品ってすごいあるんだけど、日本ってやっぱり無いんだよね。なんかあれば、いいんだけどね。フィクションとして文学作品として仕上げられているものはもしかしたらないかもしれないよね。みたいな話をしていると、瀬戸内寂聴の『愛死』って作品が実はAIDSの作品だったりとか、うつみ宮土理が書いた『紐育(ニューヨーク)マサオ』って言うのがエイズの話だとか、お客さんから逆に教えてもらえて。

(※1) 平田豊氏(1959ー1994)

1992年10月28日「エイズを考える会」の発足パーティーでHIV陽性のキャリアを公表。

性交渉によってHIVに感染した陽性者が名乗り出たのは平田氏が日本で最初だった。

歌人としても活動。

関連本

『僕のエイズ宣言 あと少し生きてみたい』(平田豊著.集英社.1993)2部構成で第1部では氏の半生の自伝が、第2部では氏の詠んだ短歌が書かれている。

『それじゃあグッドバイー平田豊最後のメッセージ』(山下柚実,児玉秀治著.白夜書房.1994)氏の語りを中心にその生涯と時代背景の解説がされている。

『いつか晴れた海で エイズと平田豊の道程』(内山英明(写真),吉岡忍(文).読売新聞社.1994)著者であり平田氏と「エイズを考える会」で活動した吉岡忍氏が1992年の春に平田氏と出会ってから亡くなるまでの活動が文章としてまとめられている。また、内山英明氏の撮影した平田氏の写真とともに平田氏の短歌を読むことができる。

(※2) 川田龍平氏(1976年ー)

参議院議員

血友病のため非加熱輸入血液製剤を使用したことによりHIVに感染。

1993年東京HIV訴訟に原告として参加し、1995年3月に実名を公表した。

関連本

『龍平の現在(いま)』(川田龍平著.三省堂.1996)自身の生い立ち、感染告知、1995年に実名公表の記者会見を行なってから1996年4月までの自身の活動や手紙、日記などを時系列にそって記録している。

(※3) 大石敏寛氏(1968ー)

ゲイであることとHIV陽性者であることを公表して活動。

学生時代からアカーへ参加、1994年12月パリで開催されたエイズサミットでは日本のHIV陽性者として初めて公式な政府の一員として参加。

関連本

『せかんどかみんぐあうと』(大石敏寛著.朝日出版社.1995)ゲイとして自身と向き合う学生時代の葛藤、アカーへの参加、府中「青年の家」事件での体験、家族へのセクシュアリティとHIVのカミングアウトなど自身の半生が書かれている。

Q.お店での相談等(お客さんから)はありますか?(HIV/性感染症等)

小倉東/マーガレット

他にお客さんが居ないタイミングってたまにあるわけよ。そういう時になんか話したそうにしている人に水を向けると、実は僕はポジティブでみたいなのを語ってくれる人が何人かいました。この規模のお店で多いか少ないかわからないけど、彼らにとっては他で自分の感染ステータスを話すことが出来ないんだなって思って、信頼してもらっているのは有り難いから話を聞いてあげて、それぞれ元気にやっているのかね。わからないけど。通ってきてくれているし、問題はないかなって。でも中には、そんなに若くない人で割と最近感染がわかって、それまでゲイとしての自己評価がすごく低い人で、見た目のコンプレックスとかもあるらしく、今までゲイの人とはハッテン場以外で接点がなかったって言う人がいて、その人にはいろいろ怒ったね。どうしてもルーズなセックスになりがちで、なおかつ自分の自己評価が低いから、逆に相手から言われるとすべて受け入れちゃう。そうしないと愛されないからみたいな気持ちが根底にあるらしくって、でコンドームとかも全然「本当は…」って言いながら相手がしないから、みたいなことを言って、「それで感染してんだから、アンタさ、バカなんじゃないの?」って言いながら。で、その子は感染が分かってからそれまで病院にいってなかったっていうの。自分で物事を決断して、人生を生きていくことが出来ないタイプなのよ。だからこういう子には強めに言ってあげたほうが良いのかな?って思って、「アンタ病院に行きなさい」、「ハッテン場に行くんだったらゴムつけなさい」みたいなことを口うるさく言って。なんかね、自己評価みたいなものと、感染の関わりってすごくあるかも。

デリヘルくん

そういう相談を受ける時に気をつけていることとかありますか?

小倉東/マーガレット

僕は専門の相談員でも何でもないし、そういう教育を受けたわけではないから、普通にお友達と話をするときとか、お客さんと接するようなときの話術のそのまんまだよね。ただ、ウチはお店としてお客さんの名前は聞かないっていうのをルールにしているんです。普通、「お名前は?」とかって聞いちゃうじゃない。それは一切やらないようにしていて、そういうプライバシーに踏み入るところは聞かない。向こうから喋ってきたら別だけどね。そうだね。ウチはポジティブの人がお客さんで多いのかも。何人か顔が浮かんできたわ。

Q.お店の名前の由来を教えて下さい。

小倉東/マーガレット

オカマとオカルトでオカマルト。今はオカマの本しか置いていないんですが、実はオカルトもすっごい好きで、オカルトの本も持っていて。これは、みんなに言ってもあんまり理解されないんだけど、オカマとオカルトって割と似てるんですよ。っていうのが、オカルトっていうのは、キリスト教が世界を席巻していく中で、それまであったギリシア、ローマの神々とか土地の信仰なんかを全部地下に封じ込めちゃったわけですよ。で、その上にキリスト教の思想を上塗りしていって、でもそういう地下に押し込められても生き続けてきたものを発掘しようって言う学問がオカルトって呼ばれるものだったんだけど、考えてみると同性愛も実はギリシア、ローマ時代はなんにも禁止もされていないし、なんだけどキリスト教とともにそれが悪いもの、存在していないものとして奥に押し隠されてきちゃったじゃない?それを少し掘り起こしたいって言うんで、「おぉ、オカマの活動とオカルト同じじゃん」って思ったのが思いつきで。だからもうちょっと広いお店にしてオカルト部の本も並べたいんだけどね(笑) 今はオカマ部の本しか並んでないからさ。

Q.店内の蔵書はどのように収集されたんですか?

小倉東/マーガレット

収集は、20年以上買い続けて来たものなので、特別店のために仕入れたりとかそういうことはないですね。ちょっとづつ増えてきて。例えば、aktaにもaktaの本棚があってaktaらしい本が並んでいる。それに対してある大学の本棚を見ると、真面目そうな本ばっかり並んでいるし、それはそれで良いことだと思うんだけど、でも同性愛とかゲイの総体を見渡すのに「ホモが全員フーコーを読んでいるわけじゃないからね」とか思う。なんか頭の良さそうな本ばっかり並べている人もいるわけじゃない。かたやエロ本ばっかり並べている人もいたりして…。ここはなるべく、バランスが良いか悪いかは別として、様々なゲイにまつわることを、とにかく本になっていたら突っ込んでいくっていう。それをやりすぎちゃったから本棚が雑然としすぎちゃって、ちょっと仕切りを入れて区切るようにしたんだけど、なんか良くないですか(笑)

デリヘルくん

料理というジャンルもありますが、それもゲイと関係があるんですか?

小倉東/マーガレット

だいたいね、タレントが売れなくなると料理本を出すんです、オネエタレントが(笑)

デリヘルくん

あぁ!(笑)

Q.仕切りの「家族」の隣に「ちんこ」ってありますが?

小倉東/マーガレット

あんまり意図はないけど(笑) この仕切は5冊くらいに似たテーマで本が固まっていたら、とりあえず仕切っておこうかなってやっていて。ウチのチンコの本はいい本が多いですよ。

デリヘルくん

(笑)

小倉東/マーガレット

ほんとに、ほんとに。『股間若衆』っていう本は、美術史の中で男性器がどういう風に描かれてきたかを解説してきた、多分日本初の本で、ちゃんと薔薇族とかのヌード写真についても論考があって、本当に素晴らしい本ですね。あと『ファロスの王国』はローマ時代に街なかにたっていた男性裸像の股間だけが削り取られていたっていう事件があって、それを分析した本なんだけど。それがおそらく西洋文明の中でフェミニズムの一番最初はその事件なんじゃないかみたいなことを論じている本で、それはそれで面白い。

デリヘルくん

そんな中で、aktaの資材も置かせてもらってありがとうございます。

小倉東/マーガレット

ウチは結構な減り率だと思うよ。ゲイのお店だったら当然置いておかなきゃ(笑) 裸の男の子が出ているやつとかはハケが早いね。ホモは浅ましいよね(笑)

Q.どんなお客さんの利用が多いですか?

小倉東/マーガレット

本当に幅広く。他の二丁目のお店ってさ、出会い、色恋をベースにお店を組み立てているから、なんとなくタイプが似た人が集まってくるじゃない。ガチムチが好きな人のお店だったら、なんとなくガチムチばっかりだろうけど、ウチは色恋一切ないお店としてやっているから、本当にいろんなお客さんが来て。もちろん、ノンケから、ゲイから、ビアンの子から、トランスの人も。なので本当に幅広いですね。年齢層も下は15~16歳くらいから、上は60~70歳くらいまでいるし。

デリヘルくん

二丁目デビューの子達がいらっしゃるんですね。

小倉東/マーガレット

いる。でも、その子達を次に手渡すお店がないの。ウチはどう考えたって夕方までだから、じゃあ次に、あそこに行ってごらんとか。最近、ようやく足湯カフェ&バーの「どん浴」さんとかが出来たから、足湯に浸かって帰りなよとか。昼に開いているお店があと、もうちょっと増えれば良いんだけどね。

Q.お茶の種類が沢山ありますね?

小倉東/マーガレット

お店をやる時に、僕自身がお酒を飲まないので、とりあえずお茶の店にしようと思っていて、なおかつ昼、二丁目で、ていう。これは自分がお店を始める前の条件だったから。それでコーヒーの人って、ちょっとうるさい人が多いじゃないですか(笑) だいたい定年退職したオヤジがコーヒーとかハマっちゃうわけよ(笑) それで偉そうにコーヒーをたてるって言うのは苦手だったので、紅茶だったらそんなにうるさく言われないだろうって。まぁもともと紅茶が好きだったっていうのもあって。無謀な挑戦だったと思う。昼、二丁目でお酒なしみたいなところで。お酒じゃないお店ってあることはあるんだけどね。でもなんとなく3年ももったので、需要はあったのかな、と。3年ですよ!

Q.「ニチョヒル」について教えて下さい!

小倉東/マーガレット

例えば自分のセクシュアリティに一番思い悩んだり、何か動き出そうとするのって13~15歳位じゃない。でもそういう子達が決心して二丁目に出てきたら、今は昔ほど活気がないじゃない。それはちょっとかわいそうだなって思うし、そういう子達がどこかいられるお店があればいいなと。丁度僕らの世代は薔薇族の第二書房が「祭」っていう喫茶店をやっていたの。そこはお昼頃からお店が開いて、夜はそこそこの時間まで開いている喫茶店で、そこに若い子たちがたむろしていたわけよ。で、そこではなんとなくコミュニティみたいなのが出来てきて、遊び仲間のグループになったりとか、福島光生もそこの出かな?テーブルごとにノートが置いてあって、みんなそこに好きなことが書き込めるわけ。で、それを楽しみに通うような子もいて「今ボクの真ん前の席に座っている赤いシャツの人が素敵です」みたいなことをノートに書いておくわけよ。それをたまたま赤いシャツの人が見つけて、それが自分のことだと思ったら返事をノートに書いて。だから、通信欄のもうちょっと交換日記版みたいなのだったんの。福島光生とかやっぱり文才があったんだろうね。彼のノートはものすごい人気で、必ず自分のノートに書き込みがあったらコメントを添えてたのよ。だからものすごい人気のノートで、何十冊と彼のノートがあったくらいよ(笑) あの祭りノートはね、あったら僕買いたいもん。ある時代の二丁目の若い子たちの資料としてものすごい貴重だと思うから。でもみんなシャイな感じだから、せいぜいノート書いているくらいだったので、伊藤文學氏がお話おじさんって人を雇ったの。で、初めて来たような若い子に「坊や、初めて来たの?」とかってお話をするホステス代わりのおじさんがいて、それは賛否両論だった。だって、オッサンから話しかけられて嬉しいかと。あんまり嬉しくもなかったりするわけで、でも伊藤さんの気遣いだったんだろうなと。お話おじさん、どうしているだろう、生きているのかな?(笑)

デリヘルくん

そんな喫茶店があったんですね。

小倉東/マーガレット

祭りはね、知っている人がどんどんいなくなっちゃうから、喋っておかなきゃって(笑) aktaノート作ってよ。

デリヘルくん

作るか…(笑)

小倉東/マーガレット

一時は、ノート目当てで人が集まる時代があって、個人のノートを置けるっていうのはステータスだったのよ。

デリヘルくん

他人のノートに書き込みをするって言う感じですか?

小倉東/マーガレット

そう。顔を合わせたことも無い間柄でコミュニケーションが出来ていくわけよ。昔、喫茶店とかはそういう伝言ノートを置いているところが多かったんだけど。

デリヘルくん

ニチョヒルってワードがすごく気に入ってます(笑)

小倉東/マーガレット

ニチョヒルは3年前から使っているんだけど、全然定着しなくてさ(笑)

デリヘルくん

お昼でも二丁目のお店を回れるっていうのはすごいいいなって思います。

小倉東/マーガレット

そうなんだよね。どうせだったら太宗寺お参りしてこようよ、あそこに閻魔様いるよ、とかそういう情報が載ってるやつがあったら嬉しいよね。ニチョヒルマップみたいなのが。もちろん、aktaも入って。そう考えると、昼間に開いているお店って無くはないんだよね。

デリヘルくん

一緒になにかできたら良いですね。

Q.お店が3周年を迎えられましたが、今後どのようなお店にしたいですか?

小倉東/マーガレット

とにかく今は本が入り切らない状態なので、広いところに移りたいっていうのと。やっぱりカウンターでお客さん同士が和やかにお喋りしちゃうので、これにテーブル席が2つくらいあって、ゆっくり本が読みたい人がそっちでみたいな。今の店+2坪くらいの広さがあるお店があればいいなと思って。ただ無いの二丁目、出物が。本当に無いの(笑) もし物件があればちょっと考える。

Q.今、お店で(または個人的に)流行っている事はありますか?

小倉東/マーガレット

お店で最近話題にあがるキーワードは「ご近所飲み」知らない?中野とか高円寺とか高田馬場みたいな、ちょっと新宿より西側にあるようなゲイのやっているお店が結構出来てきてて、そこがすごい賑わってるって。それでWESTってマップが出来たりとかして。これって大きくライフスタイルが変わって、それに対応してなんだけど。前はわざわざちょっと離れた場所でバレないようにゲイが集まってお酒を飲むってのが二丁目だったの。最近はわざわざ二丁目に行かなくても会社帰りに家の近くで一杯飲んでとか。そういうお店ってご飯をちゃんと出すお店が多いらしくって、だからご飯食べて一杯飲んで帰るって生活圏の中にゲイバーが組み込まれていて、そういうお店が今流行りなんだって。

デリヘルくん

話題ですよね。ご近所飲みって言うんですね。

小倉東/マーガレット

ご近所飲みって僕は呼んでるんだけど(笑) でもそれひっくり返すとさ、わざわざ二丁目に行きたくなるような二丁目の魅力が無くなったってことなんだよね。駅からもちょっと離れちゃってるしね。

Q.今後の二丁目に望むことは?

小倉東/マーガレット

まずご存知の通り、戦後赤線が終わった時あたりがゲイバーが出来始めての第1期だとすると、そのときの建物が30年くらい経って老朽化して建て直ったのが80年代のバブル期で、そのバブル期に建てたのがそろそろ30~40年経って今建て直しが入ってる訳じゃない?第3世代だよね。ビルが建て直って行くことは良いことなのかもしれないけど、結局家賃が上がっていく訳よ。そうするともう二丁目で個人で営業出来るような家賃じゃなくなってくると思うの。で、そういう人がご近所飲みみたいに自分の住まいの近くでバーを始めて、なんとなく賑わっててってのが今の状況になってて。となるとゲイのお店は所詮個人営業が多い訳だから、そういうのが入らなくなったらそこに高い家賃払ってどんなお店が来るのかって言ったら、いわゆる飲食だったら外食チェーン店。冗談じゃなくサイゼリアなんか出来ちゃうんじゃないかなって僕は思ってるんですけど。大阪とか札幌みたいに、割と安い家賃が入ってるビル1棟が、ゲイバービルみたくなって、1~2棟あるくらいにどんどん整理されてっちゃうんじゃないかなぁ。って言うのが予測なので、残って欲しいですけどね二丁目という街の雰囲気は。あとちゃんとノンケのお客さんを教育出来るようなお店がないと。我が物顔じゃない?でもそういうノンケのお客さんの落としてくれるお金でなんとかやりくり出来ているお店も多いわけで。キャバのアフターかなんかで来たバカな女みたいなのが何人かいて、平気で写メとか撮ってる訳よ「二丁目なう~」とか言って(笑) でもアンタたち自分の顔だけ撮るならいいけど、周りに写り込んでるゲイの人たちがいる訳じゃない?彼らはもしかしたらゲイがバレちゃまずいタイプの人もいたりしいて、昔は二丁目ってそういうのはすごく気を遣ってた訳じゃない。そういうのを知らないバカなノンケたちがどんどんどんどんこの街からゲイのお客さんを遠ざけてるんだよね。こういうの1人~2人が言ってるだけじゃ変わらないからね。

Q.最後に一言お願いします。

小倉東/マーガレット

古い時代のゲイの資料とかを見ながらお茶が飲めるので、是非お茶飲みに来て下さい。

デリヘルくん

ありがとうございました。

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