vol.42 オレンジパブ ヒロ(左)、りょうた(右)
店舗名:オレンジパブ 店舗住所:新宿区新宿2-15-11 信田ビル2F 店舗電話:03-3356-0288 営業時間:19:00~ 定休日:無休
Q.デリバリーボーイズについてどのような印象を持たれてますか?
ヒロ
素晴らしい活動だと思いますよ。毎週毎週みなさんも大変だと思うし。人がちゃんとボランティアでやってるってのもわかるから、継続してほしいなとも思うし、頑張ってほしいなと思います。
りょうた
人がいいよね。愛想も良くてね。
デリヘルくん
お店を訪問したときの、ボーイズとの印象に残ってるエピソードなどありますか?
ヒロ
同じ人が来てくれる場合は、だんだん顔馴染みになってきて、プライベートでも飲みに来て頂いたりとかもして、そういう交流もあるし。あとは色んな国の方がちょいちょいいらっしゃって、その国の言葉でちょっといじったりとか(笑) いじったりって変だけど、どういう発音するの?とか聞きますけどね。
デリヘルくん
いつも訪問したときにお菓子をくれますけど、キッカケは何かあったんですか?
ヒロ
今もう無くなったんですけど、オールマイティーってお店が新千鳥街にあって。そこに飲みに行ってたときに、たまたま(デリバリーボーイズが)まわって来られて。マスターが「これ食べて」ってお菓子をあげてたの見て、素敵だなと思って、うちもやりましょー!じゃないけど、無償でやってらっしゃるんだし、せめてお菓子くらいみたいな感じでね、差し上げるようにはなったんですけど。
りょうた
ゴムだけ置いて帰るのもちょっとアレだもんね。(お菓子をキッカケに)交流できれば一番いいもんね。
ヒロ
そうそう。少しでも協力できればって気持ちでね。
りょうた
お菓子がオチになるよね(笑) アレを配ることによって、お客さんが「どうしたの?」って帰ったあとに聞いてきてくれたり、ボランティアでみんな回ってるから後でおやつ食べてって渡してるの、うちデブ専バーだからって冗談も言いながら。それで顔を覚えられたりもして「あの子前も来たよね」みたいな。だからそういうキッカケにもなるよね。ただコンドーム入れ替えるだけじゃなくて。
デリヘルくん
ありがとうございます。では、お客さんの反応ってどうですか?
ヒロ
コンドームもそんなにバーっとは無くならないけども、徐々にみなさん、今で言うとマスクをするみたいな感覚で、当たり前のようにみんなやるんだなって思いますね。後は、保健所の情報なんかを持ってきてくれると、頂戴ってほしそうにしてる人には、その場で渡したりもして。うちはそれ専用のコーナーも作ったりしてるんですけど、トイレの手前だったりするので、パッと覗いて行ける場所でもあるので。
りょうた
みんなゴムとか、PrEPとか認識が強くなってきたよね。
ヒロ
そうだね、予防っていうかね、HIVに関してとか。
Q.コンドームを設置しての反応はいかがですか?
ヒロ
カウンターの端っこに置いてるんですけど「新しいの来た~」とか言いながら見てる人もいるし。
りょうた
わざわざ見に来るもんね。
ヒロ
楽しみにしてもらってるのかなって気はしてますね。
デリヘルくん
コンドームをキッカケにお客さんと会話になることはありますか?
りょうた
パッケージはあるよね。絵がかわいいとかね。
ヒロ
あと募金の強制力がもうちょっとあってもいいのかなって気はしますね。1個取ったら1円でも10円でもいいから入れてっていう。
りょうた
難しいよね、FREEって書いててなんで募金するの?ってたまに言われるもんね。
ヒロ
何度も取ってる人は自分でわかって、そばに置いてあるのでそれでお金を入れてくれる人もいますけど。これは一応ぼくの理解では、今後の公共機関からの資金提供が無くなっても、この活動を継続する為の募金だって捉えているんですけど。そんな感じですよね?
デリヘルくん
そうですね。まったく同じ説明をしています。
ヒロ
そういう風にお客さんにも言ってます。これ無くなったら困るでしょ?って言いながら(笑) まぁ自分で買うって人も当然いるんでしょうけどね。2丁目来たキッカケでこういうものがあれば、助かるって人もいますからね。
Q.店内でSEXについて会話になる事はありますか?
ヒロ
なるっちゃなるし(笑)
りょうた
内容にもよりますね、ウチ比較的、年齢層が高いので。若い子の店よりは、やったやらないって会話は出てこないかも。どちらかというと、落ち着いてるので。
ヒロ
たまにいますけど、あんまりないかもね。
りょうた
自分からハッテン場行ってとか、昨日ヤッた人がとか、そういう会話はまず無く。どちらかというとプライベートで相談とか。何人かで集まったら冗談とかで出る事もあるかもだけどね。茶々入れる感じでね。もう少し保健所にはどうやって行ったらいいの?とか検査の事とか、人に言えない内容を聞くような会話が多いんじゃないかな。
ヒロ
そうだね、後は当然ながら自分がそういう状態(HIV陽性)になったんだって告白的なものもゼロではないしね。そういう時は必ず、例えば糖尿病と戦ってる人がいて、その人はずっと薬を飲み続けなきゃいけないし、高血圧もそうだしって。一緒にしたらとっても乱暴な話なんだけども。でもそういうのと一緒だから付き合ってずっといけばいいんじゃないの?って。まぁ昔よりね、ネガティブな考えってのは本当に少なくなっているような気はしますけど。
りょうた
告白するまでもね、結構思いつめてるもんね。
ヒロ
いやぁ、そうだと思うよ。だからまぁ付き合って行きましょうっていうね、自分はなってないけれども、なんか想像がつくなって感じで、偉そうに言ってますけどね(笑)
りょうた
でも他のお店はそんなセックスの話とかするのかなぁ?(笑)
デリヘルくん
若い子のお店でいうと、自分がやっている行為が、正しいのかとか、どういった危険性があるのかとか、そういった経験共有をする事で学べる場が環境としてあるかどうかって感じで聞いてますけどね。
ヒロ
そういう会話はないね、たまにトイレットペーパー1回でどれくらい使う?とかね(笑) そういったくだらない話はするけども、セックスで横笛派、縦笛派言っているじゃん?(笑) そういうのもあんまりないかもね。
りょうた
冗談の話はあったりするけどね。
ヒロ
でも不安に思ってるでしょうね、自分がはじめて経験したときに、ここまでやったんだけど、それが大丈夫かどうかじゃないけどね。
りょうた
でも、ウチは若くても年上好きが多いので、20代前半と、30代~40代って上の人が好きな人が多いから、経験値としてはあるよね。20代前半で当て堀って言葉使うもんね(笑) だから経験値は高いのかなって。
デリヘルくん
(笑) ちょっと重めの相談があるときって、どういった状況のときが多いですか?
ヒロ
やっぱり他のお客さんがいなかったり、少なかったりするときとか。あとこのカウンターが長いので、ウチ週末だと最大3人(スタッフが)入っていて、3分割して分れて人がいるので。そのエリアだけで話せるような事がポロポロっと聞いたりはしますね。同じ場にいても全然聞いてなかったって話いっぱいありますしね。
りょうた
ちょうどウチ(スタッフが)3人いて、10歳ずつくらい世代が違うんですよ。40代、50代、60代手前で、それぞれのお客さんが話しやすい人に、それぞれの相談をするから。で、そこはなるべくシャットアウトするようにしてるんだよね。よくあるんだけど、スタッフ間で話がツーツー。例えばわたしに相談してきた事を、わたしがスタッフに流して、後日他のスタッフにそのお客さんが話したとして「知ってる、聞いてる」っていうのが気持ち悪い。だから個別に来た話はシャットアウトしてっていうので、それぞれが安心してそれぞれの話しやすい世代に話してるような気がする。
ヒロ
ただ一緒に来た人と、次違う人が来たときに、前の人と違うじゃんって事にならないように、それは通用しとくようにはしてるんだけど。
りょうた
前の人と違うじゃんって言ったらもうアウトだもんね。そういうのはツーツーにしておいて。
ヒロ
今日は誰か違う人と来るみたいよって、そういう教えといた方がいいなって話はやるんだけど、デリケートな個人的な相談的なものは、スタッフ間でも明かしてない。それがお客さんからの信用になるのかな。
りょうた
基本的に相談はみんなしやすいと思う。
Q.2007年発行の「DISCOVERY新宿2丁目」という冊子でもインタビューにご協力頂いていましたが、そのときにお客さんの中でも、HIVに関しての正しい認識が低いといった声がありましたが、2020年の今ではどんな印象がありますか?
りょうた
まだ認識は届いてないよねたぶん。例えばウケだけがリスクがあって、タチはリスクないとか。それはゼロではなく、タチにも生で掘ればリスクはあるのに、いやタチだったら生でも大丈夫!とか、ウケだけ気をつければいいとか。そういう細かい認識はまだみんな届いてないよね。うちらだって更新しないと、どんどんついていけなくなるし。お客様はもっとじゃない?
ヒロ
コロナ然り。あれもウイルス性のものだから、なかなかそれがみんなに行き渡るのって難しいかもしれない。
りょうた
最近若い子で「PrEP飲んでれば生でやっても大丈夫」ってのはチョロチョロ聞くよね。あれは生でやるための薬だって認識を持ってる人がいる。でも生でやれば梅毒だ、淋病だって他の性感染症に罹るリスクは高くて、そういったものに罹るとHIVになるリスクも高くなる。そういうのはあまり届いてないね。頻繁にハッテン場で生でやるために飲みたいけど、どこで仕入れるんですか?っていうのはたまに聞かれたりするね。
デリヘルくん
そういう事も聞かれるんですね。
りょうた
そう、話を聞いてとか、たまたま横で話を聞いてて「PrEPってなんなの?」とか「ゴム着けなくていいんでしょ?」とか、冗談の会話の中では来るようにはなってきたかな。HIVもそう、認識はね。正しい情報もあんまり届いてないよね。
Q.お店の名前の由来について教えてください。
ヒロ
この通りに螺旋階段があるビルがありまして、そこの2階が創業の場所なんですよ。そのときに何とか亭って付けたいと思ってたんだよねって先代のマスターが言ってたんですけど。何とか亭って言うと、みんなが集まる場所だからパブだよねと。看板の色が見たら(当時)オレンジ色がなかったから、色はもうオレンジ色に決まってたんです。で、色と合わせてオレンジパブでいいんじゃない?って。
りょうた
要は37年~38年前の話だから、今みたいなカラフルなネオンがなかったんだよね。
ヒロ
看板の色が少なかったからね。だからオレンジはないねって事から「オレンジパブ」っていうのが、一番最初かもしれない。大した事ない理由(笑)
りょうた
食べ物屋で何とか亭って多かったからね、昔ね。
ヒロ
昔ね、本当だよね(笑) 末廣亭みたいなね。あれってようはパブリックスペースって事でしょ?みんなで集まりましょうねっていう。それでパブ。
りょうた
安易だよね(笑) よく聞かれるけどね。
ヒロ
精一杯のオシャレだったんだよ、パブっていうのが(笑)
りょうた
語呂がよくて、お客さんによってそれぞれの呼び名があって。「オレパ」って呼ばれたり、「オレパブ」って呼ばれたり。
ヒロ
「オッパブ」って人もいるよ(笑)
デリヘルくん
意味違っちゃう(笑)
りょうた
ネットだと柑橘系って書かれたり。「柑橘系行ってくる~」とか。
デリヘルくん
なるほど~!
りょうた
だから独り歩きして結果いい語呂合わせになってるよね。尾ひれはひれが付いて。
Q.店内コンセプトは何かありますか?
りょうた
お客さんの年齢層が高いからね、落ち着いた感じにはしようとしてる。照明も暗くしたりして。
デリヘルくん
客層的には年齢層が高い感じなんですね。
ヒロ
高くなっちゃったんですよね(笑) 最初若い子が来てた時代から。今も若い子はいらっしゃいますけど。
りょうた
10年~20年選手が多くて。30歳のときに来てた人が、15年経てば45歳だし。
ヒロ
長い人が多いよね。お店の歴史と共にみんな持ち上がってったって感じだね。
りょうた
だんだん老け専バーになってきちゃって(笑)
ヒロ
勝手に今老け専バーって言ってるもんね(笑)
りょうた
ジャンルもそうだもんね?うちら一言も言ってないのに独り歩きして色んな認識されてるんで。うちらが太めなんで、太めの人が入れる店って2丁目に本当にちょっとしかないんですよ。たぶん数えたら20軒ちょっとしかないんですよ、堂々と太めの人が入れる店って。その中に体型のカテゴライズがある。デブ×細とか、デブ×デブとか。
ヒロ
組み合わせね。
りょうた
組み合わせが色々あって、そうなると太めの人って好きなところに行けるか行けないかで言ったら選択肢はすごい狭まるんです。だからうちらは太めがやってるんで、太めの人に堂々と入ってきてほしい。
ヒロ
コンプレックスを持たずにね。昔より今はないと思うんだけど。
りょうた
太めの人が入れるのがメインで、太めの人が好きな細~太めのどの人が来てもうちらは受け入れますって体制です。なので日と時間によって細い人がいると「やっぱりあそこデブ細だよね」って。DDの人が並ぶと「あそこはデブデブだよね」ってそういう事言われたり。そういうのが独り歩きしてるのが現状で。デブデブのお店に行くと、ウチはデブ細って認識だし、デブ細のお店に行くとウチはデブデブって認識だし。
デリヘルくん
なるほど!
りょうた
そうじゃないよって言ってくれるのは常連さんで。年も20代~60代。体型も細~デブまで。下手したら若干細細もいるかなってくらい。
デリヘルくん
細細もいるんですね!
ヒロ
喋ったり飲みたいっていうね。「あたしたち全然他に目が行かないから楽でいいわ」「誰からも声かけられなくていいわ~」って言いながら(笑)
りょうた
ちょっと話戻るけど、それがデリバリーボーイズさんに当てはまる。色んなジャンルとか性別とか年齢とかで関係なく来たら、交流をしたくて話す。そのキッカケをマスターが他所で見かけたお菓子でつくってって。
ヒロ
デリバリーボーイズで女の人がたまにいらっしゃるでしょ?ああゆう人たちなんかは生粋のホモバーって所にはなかなか足を踏み入れるチャンスがないと思うんですよ。チャンスないし、用もないと思うんだけど(笑) でも啓蒙を広げる意味ではいい経験だと思って「ホモバーよ~」なんてやったりもしてるんだけど(笑)
りょうた
お菓子あげてダイエットしてるって言ったら「返して~」って言ったりとか(笑) だからそのへんがちょっと繋がるのかな。細が来てもデブが来ても若い人が来てもあんまり区別差別のないように楽しくはしてる。ただ若い子の店みたいに活気がある店ではない(笑) 一気したら止める店なんで(笑) あんまり騒ぐと、ちょっとアレなんだけどね。コミュニケーションは色んな人ととりたいよね。
Q.オレンジパブさんのSNSやホームページ等をあまり見かけないのですが?
ヒロ
そうですね。SNSもやってないし、ホームページももうないので。本当に前時代的な。別にアンチネット系って訳ではないんですけど。たまたまそういうのに詳しいスタッフもいなけりゃ、ぼくもそんなに推奨派ではなかったので。だから情報としてはすごく陳腐だよね。例えば何時からやってるの?とか。わかりにくいの。
りょうた
他のお店とかは結構やってるんでしょ?
デリヘルくん
Twitterのアカウントがあったり、ホームページを作ってたりはしてるところが多いですね。
りょうた
それもさっきの話に戻るんだけど。みんなが仲良くしてほしいの。例えば太め好きだから細と喋らないとか、細好きだからデブと話さないとか。そういうのがあったりするので、そういうのが無いようにしたいので。例えば、誰がいますよ、誰が休みですよって、あの子がいるから行かないとか。そういう店にはしたくなかった。
デリヘルくん
じゃぁその場に来てわかるって感じですか?
りょうた
そう、オレンジパブに来てわかる。だからその空間を作りたい。それが難しいのはわかってるんだけど。そういうのも一つの理由だと思う。ただ時間とか休みとかね、そういうのは知らせたほうが本当はいいんだろうけどね。
デリヘルくん
情報の拡散はどうゆう風にされてるんですか?
りょうた
口コミだよね?本当に口コミだけ。後は個別に知らせてるかな、アナログで。今だったらLINEとかメールで。メールはもう年取った人しかいないけど。今回のコロナに関しては営業時間の変更に関しては個別に伝えるようにしてるかな。
ヒロ
1個書けば、それがバーって広がるのも嫌だなって。それが例えば結婚式の案内をTwitterで書かれたものを見て行こうと思いますか?ってそういうのと同じで。個別に手紙が来て出席します、しませんじゃないけど、そういう方が。それでもやっぱり郵便使ってやってるわけだしね。
りょうた
アナログの良さはちょっと残したいなと思って。ただデジタルが嫌な訳ではない。いいところは取り入れたいけど、ちょっと置いていかれちゃって(笑)
ヒロ
使えないの、それが一番の理由(笑) いわゆるそれが刃物だとしたらうわーって切っちゃいそうな気がして。だったらちょっと置いておこうかなって。
りょうた
ウチあんまり営業もしないんだけど、さっきの結婚式の話みたいに個別で来たらセレクトできるでしょ?行く行かないって。でも嬉しい人もいるでしょ?やっぱりそれをやりたいんだよね。
ヒロ
それやっても「どうせみんなに出してるんでしょ」って思う人は思うわけやっぱり。でもより自分に来た感があった方が自分は嬉しいしとかね。
りょうた
ただみんなに知らせる方法としてはいいんだよ、お店を休みますっていうのはSNSでいい。そうじゃないのは個別の方がいいから、どっちもどっちだと思う。それもあって、ちょっと億劫になってやってないのもある。ウチのスタッフが一人だけTwitterやってるかな。だからオレンジパブで検索したらその子が引っかかるかな。ただお店の事にはタッチしないようにお願いしてて、彼の個人的な事は書いてあると思うけど、今日お店入りますとか。なのでお店の全体の事は書かないようにしてると思うけど。
デリヘルくん
そうですね、調べたときには特にお店の事は書かれていませんでした。
りょうた
こういう(インタビュー)とき困るね(笑)
デリヘルくん
mixiだけ残ってるのかなって感じでした。
りょうた
mixi誰やってるの?お客さんかな?
ヒロ
そう、お客さんがね管理してやってたのがあって。その人がもう亡くなられちゃってるので。だからどうしようもないよね、こっちも管理のしようもなくて。あとガービィってのが昔あって、まぁ今もあるのかなガービィって。
りょうた
知らない世代じゃない?(笑)
ヒロ
それが、その中にバンを設けられるっていう。本当ネットの黎明期っていうのかなそれこそ。それまではパソコン通信って言っていた時代。インターネットの直前くらいにね「リブオレンジ」って名前の板を設けたことがあったんですよ。そしたら「今日はごちそうさまでした」とかね「ありがとうございました」とか。例えば「ごちそうさまでした」って書いてあるのにぼくが何も書かなかったら「ノーレスだよ」みたいなね。その次代からそういうのがあって。それをぼくは誰に見せる為にぼくは書くの?って。難しいなと思って。だったら個人的にメールでいいかなと思って。
りょうた
飲食店とか、こういう商売って、やっぱりお客様に来てもらってなんぼの商売だと思うんですよ。それにゲイっていう会話する商売がくっついてるんで、ゲイの商売は特に何だけど、あやふやになってる部分がある気がするんだよね。例えばウチらが飲食店で体感した実際にあったのが、ロールキャベツが人気なお店がありまして、美味しそうだなと思って食べに行ったの。普通にオープンテラスみたいな感じのウッド調の店で、いい感じだねって中に入って座って。ロールキャベツを下さいって言ったら「売り切れです」って言われたの。でも売り切れですって言ったら、他にありますよってお店の人がセレクトしてくれるでしょ?それが正しい商売だと思うの。そしたらそこにビーフシチューがあったらビーフシチュー食べるし、パスタがあればパスタ食べるじゃん。でももし仮に入り口に「今日ロールキャベツが売り切れました」って表示されたとして、ロールキャベツを食べに行った側からみたら、入ることすらやめるよね?だからそれがアナログとデジタルの間にあって。お店としては一歩中に入ってきてほしい。でもそれを親切に「今日売り切れました」って書いちゃったら、それで諦める。入るキッカケを失うお客さん。もしかしたらロールキャベツよりビーフシチューが好みかもしれないし、それを発見すら出来ない。そういうのがちょっと重なってて。誰がいますってなったときに、例えばわたしが休み。ママが休みだって書いたときに「あぁじゃぁ今日は会いに来たからやめよう」って。でも実際に入ったら、ママに会いに来たのにスタッフ楽しいじゃんって発見があるかもしれない。その発見を摘むのもどうかなって思って。
ヒロ
もったいぶってる訳じゃないんだよ?(笑)
りょうた
あんまりそれをお客さんに言うとアレだから言わないようにはしてるんだけどね(笑)
ヒロ
「不親切な店ね」でいいんだけど(笑)
りょうた
アナログの良いところも残したいって事だよね。
ヒロ
そのうち淘汰されるのかな?
りょうた
隣の店とかすごいもんね?賑わってるもんね。
Q.今、お店で(または個人的に)流行っている事はありますか?
りょうた
流行ってるかわからないけど、端から見たらスタッフとマスターが音楽に詳しいので、音楽の話をしにくるような。流行りではないけど、特化はしてるかもね。
ヒロ
この間、筒美京平さん死んだねとかね。歌謡界の話とか。
りょうた
そういう話とか、作家が作った曲とかがぼんぼん出てくるから。色んな人に関して。それでウチのスタッフは若い子の歌もわかるし。
ヒロ
で、ぼくはもっと古いの知ってるからね。
りょうた
で、わたしは知らないんで。端から客観的に見ると、すごいなって。それを聞きに話をしにくるお客さんもいるので。
ヒロ
そうね。音楽的な事は多いかもしれないね。
りょうた
自分は服と美容しか知らない(笑)
ヒロ
美容と服はりょうた担当だね。
Q.新型コロナウイルスについて率直に想う事と、実践されている事があれば教えて下さい。
りょうた
結構デリケートだね(笑)
ヒロ
中からはやっぱり出さないように最低限自分たちは、ちゃんと日頃の清潔感とか色んなものを意識してやろうとも思ってますし。当然お客様にそれを移すなんて以ての外で。でもこの商売ってお客さんが持ってくるってことも考えられるわけで、そこはもう防ぎ用のないところだからね。せめて入るときにアルコール消毒とか、検温ってよくある事ですけど。この飛沫防止のシートを設置したりとか。
りょうた
ウチはマスクをしないで営業してるので、甘えだけどカウンターで距離を取れているし。マスクすると声が届かなくて何喋ってるかわからないし、表情も見えないし。なるべく気をつけながらも、100%やっているか(予防対策を)って言ったらやってないもんね。やってる店は色々やってらっしゃるけど。ただ消毒とか最低限のことはやってます。
ヒロ
検温は入るときだけですけど。ここに入ってきてから熱上がる人もそうそういないとは思うので。まずは傾向として、今どうですか?っていうのを見させてもらって。それぐらいかな?後は席を抜いてるくらい。もっと詰まってたんだなってくらい、いま3つ抜いてますから。
デリヘルくん
こういった情報がもっと出てほしいなど、思うことはありますか?
ヒロ
やぱりシチュエーションでしょうね。やっぱり罹った人は、どういう状態だったからクラスターになったのかとか。みんな明らかにはしない、出来ないこと。行動記録なんてね。でも食中毒でもそうでしょ?昨日何食べましたか?なんて、下手したら一週間前まで遡って聞かれるっていうのと、たぶん今同じ状態だと思うんですよね。どこに行きましたか?どういった方と触れ合いましたか?とかね。つぶさに聞かれるってのは同じで。でも全部言えないし、覚えてないし。
りょうた
みんな発信はしてますよね。ここまでやって今日も営業してますって発信してるのもわかるんですけど。でも呼べないですよね。営業的にはキツイですよ。キツイけど、見守ってる感じなんです。やることやって見守ってるんですよね。実際に今週スタッフの誕生日でもあって、お客さんにも聞かれたりするんですけど「うん、誕生日やるよ」って言ったら無理してでも来てくれるでしょ?常連さんは。それだとまずいので、発信出来ないですよね。やってるから営業してますって事も言いづらいですよね。だから難しいなって思います。
ヒロ
他のお店も入れ替え制とか、予約制とか色んなことをやってますよね。イベント1時間で入れ替えとかね。みんな一生懸命やってるなって思いますよ。
デリヘルくん
また冬に向けて感染報告が上がってきちゃいましたしね。
ヒロ
気温が下がってウイルスが蔓延る時期が来たんでしょうね。
りょうた
ウチもだいぶ来てないもんね。やっぱり電車が怖いとか。街が怖いとか。それでも気にしない人、ちゃんと消毒して顔を触らなければ、飛沫させなければ大丈夫って思ってる人は出てきてくれるけど。そうじゃ無い人はやっぱりLINEも来るんですけど、怖がってるもんね。
ヒロ
その気持ちもわかるからね。
りょうた
見守るしかないね。
Q.今後の二丁目に期待する事などありますか?
ヒロ
この辺がゲイの街だって事で商売をはじめたのが最初だと思うんだけど、結構個人主義って変なんだけどね、自分のところは自分のところでちゃんとやっていくって塊ができれば、それが結果街として発展していくんだろうなと思うから。だからそれぞれ個々が自分にできる事を精一杯やるって事でしょうか。答えはないんでしょうけどね。街としての発展ってのは当然考えていかないとなかなか。でもひっそりとした所にポツンとあって、大盛況のお店もあるから、そればっかりは街としてっていうよりは、個人個人がそれぞれやって結果としてこういう街になる。
りょうた
あんまり言うとディスりになるからナイーブな質問だよね。
デリヘルくん
すいません(汗)
りょうた
でもお客さん側の立場に立ったら、飲み屋ってつまんないって聞くの。年々。どんどんそれは増えていくし。宅飲みとか、友達同士で遊んだほうが楽しいって、昔からあるけど年々増えてる。メディアがメディアだから、より耳に入ってくる。それはやっぱりお客さんが悪いんじゃなくて、お店の質の問題だと思うんだよね。出てきて楽しくないお店があるから、お客さんが楽しくないって。でウチらも楽しいかって言ったら、つまらない店かもしれないけど、それぞれのカラーで努力すれば、個々が頑張れば、それが色んなカラーで集まるんで、お客様がセレクトできるよね。今日は楽しく飲みたい。今日は男探したい。今日は相談聞いてほしいの。悩みを聞いてほしいの。それぞれのかラーをお客さんが見つけられるような街だったら、よりこうお客さんが楽しめるんじゃないかなって。だって飲みに行って「あの店会話してくれなかった」って。メインがそれだと思う。スタッフがかわいいから行くっていうのは一部だと思う。絶対ゼロではないけど。楽しく飲みながら可愛い子を見たいってのはゼロではないけど、やっぱり一人で行くと話してもらいたいとか、会話してほしいとか。そういうために来てる人が大半だと思う。それをただ1杯飲んで「ありがとうね」って帰す店が増えてくと2丁目も駄目だよね、わかんないけど。ウチらもやってるかもしれないけどね。なるべくしないように。
ヒロ
交流をね、一人で来た人は特にね。それだけで終わらないように。ただ一人で飲みたいのって人だっているわけじゃん?その辺の見極めわねこっちがやらなきゃいけないんだけどね。
Q.最後に一言お願いします。
ヒロ
毎日思うのは、人が人を呼ぶっていうかね、同じような傾向な人が固まったり集まったりするけど。そうじゃない人が来たときに、その人に疎外感ってものを感じてほしくないなって思います。感じてほしくないっていうか、感じさせないように我々がしなきゃいけない。よく常連さんで固まってなんて話も聞くけど、中身は常連さんだけども固まってるわけではなくて、たまたまその人達が知らない人と照れたりして話せないだけで。
りょうた
でもお店が悪いよね。要は新規に話しづらいから常連に逃げるだけで。さっき言ったみたいに、お客さんが悪いんじゃなくて、お店の対応の問題だから。そのクォリティを個々が上げれば、いい街になると思います。ちょっとまだわたしも素人だけど。見てそう思うからね。
ヒロ
素人じゃないよね(笑)
デリヘルくん
(笑)
ヒロ
まぁでも楽しいお店にしようと思ってます。
りょうた
楽しめる場所を探して欲しいよね、みんなねそれぞれのね。静かな店、賑やかな店とか色々あるから。
ヒロ
こんな老け専バーもあるんだって思ってもらえたらいいよね。
りょうた
認めてないけど(笑)
ヒロ
いつまでも若いつもりなんだよね。
デリヘルくん
(笑) ありがとうございました。