vol.16 DANTOTSU べりある
店舗名:DANTOTSU 店舗住所:新宿区新宿2-14-9 島崎ビル401 店舗電話:03-6457-8595 営業時間:20:00~翌5:00 定休日:年中無休 ※たまに木曜日が休み。水・木は店子さんの営業となります。
Q.デリバリーボーイズ訪問時のお客さんの反応やエピソード的なもの(印象に残ったこと、おもしろかったこと)はありますか?
べりある
結構多様な方が来られてて、直接お客さんと話したりすることは無いんですけど、自分は割と話せる子達も増えてきたので、金曜日来るの結構楽しみにしてますけどね。印象としては、以前いた小さい女の子がやたらと懐っこくて、入ってくる度ギュッ(ハグ)て(笑) ポケットに入れて持って帰りたいなくらい(笑) そんな子はいましたね。名前もデリバリーってことで、お客さんに突っ込まれて下を向いてたり(笑)
デリヘルくん
正式名称は「DELIVERY HEALTH BOYS」で、通称で「デリヘル」なんですけど、人によって捉え方が違いますよね(笑)
べりある
まぁしょうがないですね、それは(笑)
Q.コンドームを置いてみてのお客さんの反応は?
べりある
正直うちのお客さん引っ込み思案なのか、あまりコンドームを持っていく子がいなくて。これを持っていく事で「これからそういう事をする」って思われるのが恥ずかしいって子達が多いんです。ただまぁお客様の中には、コンドームを付けずに遊んじゃって、感染して相談にくる若い子もいるんですよ。だから割と真面目な話をするときに、うちはコンドームを指差しながら話すことはあるかもしれないです。そんなに多くはないですけどね、みんな喋りたがらないんで。
デリヘルくん
じゃー、そういった時のツールになってるんですね。
べりある
そうですね。まぁ堂々と持っていく子達もいますけどね(笑)
デリヘルくん
コンドームを置こうと思ったキッカケは?
べりある
他のお店に飲みに行った時に、コンドームを置いてあるお店が沢山あって「これってなんなんだろう?」って最初はそんな感じだったんですね。お店をやる時に、当然ただお店を開けるだけだとaktaさんが持ってきてくれなくて、昔G-menの編集長をしてた方に「あのコンドームってどうやったら持ってきてくれるようになるんですか?有名なお店にならないと持ってきてくれないんですか?」って話をすると、「いやそうじゃない。これ自分で言いに行かなきゃダメなんだよ」って言われて、その時に、G-menの編集長さんにaktaさんを紹介してもらったのが最初ですね。
Q.お店でHIVや性感染症についてお客さんからの相談経験はありますか?
べりある
他のお客さんがいるときじゃなくて、昼間に「相談したい事がある」って連絡があって、早く店に出てくるか、店が終わった後に話を聞けば相談だったとかってことは何度かありますね。
デリヘルくん
相談を受けるときに準備する事ってありますか?
べりある
もうこの年齢なので、どんどん知識は付いてきたりするもので。身近な自分の友人にも正直何人か当事者の人もいるので、結構詳しく話を聞くんですね。だからある程度の話は出来ますけど、こういうセーファーセックスの話って、実際こうなんだって現実をバンって言ってあげるのが若い子には効き目があって、日本のHIVの現状を話したりしてます。だからある程度は自分で気をつけなきゃいけないってのは、割と真っ向から言ってます。まぁなってしまったものはしょうがないですけどね。
デリヘルくん
そういった相談につながるのは若い子が多いですか?
べりある
そうですね。だいたい20代半ばくらいまでの子がそういう相談をしてきますね。ぼくの知り合いに30代以降の方があまりいないからなのか…(笑)
デリヘルくん
結構若い子でアンセーファーでって話は他でも聞きますね。
べりある
恋人同士だったらとか、検査受けて両方が大丈夫だったらやるとか。本当に大丈夫かどうかなんてわからなくて、結局病気にかかってみないとわからない事って沢山あると思うので、コンドームをしとけばある程度の安心はある。なのでaktaのコンドームを見たときには少しは話すようにはしてはいます。ただ冗談を冗談で返さなきゃいけないような状況もあるので、なかなか難しいですけどね。
Q.お店の名前の由来はなんですか?
べりある
面白くないんですけど、本当にふって降りてきたんですよ。ずっとギリギリまで決まらなくて、なんとなく聞いてたのが、「濁点の入ってる名前」とか、「単語を2つくっつけて略して読みやすい名前がいい」とか、ジンクスみたいのがあるってのは、色んなママさんから聞いていて。届けを出さなきゃいけない数日前くらいにポンって感じで…すいません何もおもしろくなくて(笑) 本当に思いつき。でもその思いついたものがちゃんとジンクスにも当てはまったなっていう。だからもう他に思いつかなかったんで、これで行こうってあっさりした感じでした。聞いたことないですか?濁点が良いとか、最後が「あ」か「う」か「ん」で終わる店は結構続いてる店が多いって、ジンクスを言われて、本当かよって(笑)
Q.今、お店で(または個人的に)流行っている事はありますか?
べりある
カラオケがあるので、自動的にカラオケの飲み大会になる事がほとんどなんですけど…流行ってること…なんだろなぁ。
デリヘルくん
個人的にでもいいですよ。
べりある
絶対行くことはないだろう国の飯を食いに行くことにハマってます(笑) 最初がノルウェー、次がベラルーシ、次がペルーですね(笑) 今この3カ国で、次はアフリカかなぁって(笑)
Q.お店を始めようと思ったキッカケは?
べりある
あまり話してはないんですけど、店子とかやったことなくて。仕事を辞めて、親の都合があってどうしても実家に帰らなきゃいけなくなって、東京から一旦離れたんです。そのときに二丁目で働いている友人が大変な事になった時期があって、その子も東京から地方へ戻らなきゃいけなくなって、もうやり直せないみたいな事を言われたんです。自分も正直に言うと、仕事っていう面でやりがいをまったく見つけられてない状態で、自分が復帰出来たら戻って来れるんじゃないかみたいな事を話た事があって。その時たまたまお付き合いしてた相手から、こんな話があるよって言われたのが二丁目のママだったんです。まぁ当然経験もないから、最初断りに来たんです。やっぱり無理だからって。でも周りの人達がバックアップするからって言われて。最初は本当の事言うと薄っすらとやる気があるかないかくらいで始めちゃったっていう…大変でした。だからなぜやり始めたかって言うのは友人の為だったって言ったほうが良いかもしれない。まぁそう言いながら、本当は自分でやりたいことを探してたんです。
デリヘルくん
そこから心境の変化はありましたか?
べりある
最初は悪い事しか言われなくて、グランドオープンでお客さんが6人しか来なくて、そこからのスタートだったし。得体の知れない誰かが突然ママになったって、誰が来るんだっていう。初めはすごく冷たい…いかにも僕が遠くから見ていた二丁目の夜景の冷たさみたいなのをひしひしと感じてたんですね。でも1年経って、2年経って、頑張ってやっていくうちに段々周りが見てくれるようになって、当時に比べたら今の二丁目が好きですね。あのときはそんな風に思えなかったけど、今は大好きです。
Q.今後2丁目にどうなって欲しいですか?
べりある
僕もまだ5年目なので、店子経験もないし偉そうな事言えないですけどね。でもやっぱりメディアに有名な方がゲイとしてなのか、女装家としてなのか、そういう感じで出る事が多くなってノンケの方も沢山来てると思うんですね。昔の僕の知ってる二丁目って、中がガラス張りで見えるお店なんて1軒もなくて、どちらかと言うとクローズされた、どのお店の看板にも会員制って貼って、人をあまり寄せ付けない感があったんだけど。今逆に女性とかも歩くようになってきて、当時の二丁目に比べたら華やかになてきてると思うんです。若いゲイの子達も会社でもカミングアウトしてたり、多種多様になってきてるとは思うので、もしかしたら街がどうこうって言うよりは、今ゲイで街に来ている若い子達に、どんどんこっちが変えてってあげなきゃいけないんじゃないのかなって思いますね。街がこうで、若い子達が合わせなさいじゃなくて、今の若い子達のスタンダードに合わせて変わって行くべきじゃないのかなって僕は思います。だってあの子らがいるから、僕らも出来る訳だから、その場を作ってあげるのが多分僕らの仕事なのかなって。まぁもう年なので、そんなぐいぐい引っ張って行けないですけど(笑) 偉そうに言ってすいません(笑)
Q.お店の告知や、宣伝等あればお願いします。
べりある
実はもう大きいイベントは終わってしまって…(笑) まぁクリスマスやお正月も、一生懸命みんなでお料理作ってお待ちしてますんで。
デリヘルくん
料理は手作りですか?
べりある
手作りですね。わたしはそんな大したものは作れないですけど、食材入れて煮るみたいな(笑) わたしは料理が苦手なんです。店子に任せて美味しいものを(笑)
デリヘルくん
どんな人に来てもらいたいですか?
べりある
うちはゲイバーではやりたいんで、女性はダメにしてるんですね。それ以外の方は。まぁみんなが大好きなちょっぴり太めな方は来てくれたら嬉しいですけど(笑) もちろん細い方が来てくれても嬉しいですよ。そこは特にはオールジャンルって事でやってるんで、ただ女性の方だけはごめんなさいって。そんな感じですね。
デリヘルくん
お客さんは若い子が多いですか?
べりある
平成3年の子が多いですね。まぁ店子でそのくらいの年代の子がいるので、どうしても増えていくんだろうなって。本当は同年代を集めたかったんですけどね(笑) 無理でしたね、なぜか(笑) 落ち着いたお店にならなかったです(笑) そんなもんだと思います。思惑とは違う方向にどんどん進んでもう止まりません(笑)